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ライヴ・レポート:ニール・ザザ 2015.10.25@両国SUNRIZE

レポート●Jun Kawai

ニール・ザザ 2015.10.25 @両国SUNRIZE 1

韓国や中国など、アジアの主要地域では頻繁にクリニックやライヴを行なっているニール・ザザが、唯一訪れたことがなかった日本で初めてのライヴを実現させた。

サポート・アクトにD_Driveを迎えて行なわれた今回の来日公演は、ウォルター・チェラザーニ(b)とエンリコ・チャンチュージ(dr)という2人のイタリア人ミュージシャンを従え、新作の『PEACH』(’15年)からのキャッチーなナンバー「Water Town」でスタート。ソロ・ギタリストのインストゥルメンタル系のライヴは大抵の場合、観客は指先を凝視しながら鑑賞しているようなパターンが多いと思うが、ニールのライヴは1曲目から違った。イントロのポップ・メタル風のリフを笑顔で弾き、またリード・ギターを弾く際は自らが歌っているかのように豊かな表情をオーディエンスに向けながらプレイしているため、観客も自然とハッピーな気分になり、彼の所作を食い入るように見つめるというよりはその音楽や空間をリラックスして楽しむようなムードに包まれていたのが印象的だった。そんな雰囲気の中、観客は手拍子をしたりグルーヴに任せて体を動かしたり、また「Bari」のイントロではニールが観客に「ヘイ!」と拳を突き上げる動作を促すと、それに大声で呼応したりと、場内がまるでヴォーカルがいるロック・コンサートのような盛り上がりとなっていたことを特筆しておきたい。

甘いトーンでエモーショナルにプレイするフレーズの1つ1つが、ひたすらメロディアスであることがこうした和やかなムードを作り出している要因でありニールの美点だが、「Fargo」での連続スウィープやスピード・ピッキングといったテクニカル技や、「Turn The World Around」や「Somewhere In Time」でのメロウなプレイなど、メロディアスな部分以外の聴きどころも満載で、とにかく観ていて気分が良い。本編最後の「I’m Alright」が凄まじい盛り上がりとなり、アンコールの「Cinematic」では必殺の泣きのギターを披露し、約1時間半のライヴは終わった。彼の親しみやすいフレーズだけでなくその笑顔が観客の心を完璧に掴んでおり、場内にいた誰もがニールのライヴをまた観てみたいと思ったことだろう。

なお、今回の来日公演はビデオ・シューティングされており、’16年にはリリース予定とのことだ(日本発売は未定)。また、滞在中には本誌ヤング・ギターでも取材が行なわれた。近日中にインタビュー記事が掲載される予定なので、こちらもお楽しみに!

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ニール・ザザ セットリスト 2015.10.25 両国SUNRIZE

1. Water Town
2. Magnus 212 / Go!
3. Bari
4. Melodia
5. Fargo
6. Cherry Lane
7. Turn The World Around
8. Wild Horses
9. Tobaber / Somewhere In Time
10. This Time
11. Adagio / Beethoven’s 5th
12. The Looking Grass
13. In My Dreams
14. I’m Alright / National Anthem
 [encore]
15. Cinematic