毎月10日発売。月刊ギター専門誌ヤング・ギターの公式ウェブサイト。

ジョシュ・スミス 初来日公演ライヴ・レポート&機材紹介

js-live1

去る7月初旬、アメリカのブルース・ギタリスト、ジョシュ・スミスが初来日公演を果たした。ここではそのライヴの様子と、当日の使用機材をお届けしよう。

彼の名前を初めて目にする人も多いかと思われるので、まずは略歴から。1979年コネティカット生まれ、フロリダ育ちのジョシュは、3歳で最初のギターを手にし、ステージに立つようになったのは10代前半の頃。14歳でJosh Smith & The Rhino Cats名義の1stアルバム『BORN UNDER A BLUE SIGN』(’93年)をリリースする。高校卒業と同時にプロの道を進み、自らのトリオを率いて全米を廻るツアーを定期的に行なっていく。1998年にはB.B.のオープニング・アクトを務めるなど、若きブルースマンの実力はベテランからの支持も厚かったことが窺える。2002年よりL.A.を拠点に移したことでさらに活躍の場を広げ、近年はテイラー・ヒックスやミック・ジャガーといった著名シンガーのバックでプレイするなど、ジャンルを問わず引っ張りだこのプレイヤーとなっているようだ。昨年発売された最新ソロ・アルバム『OVER YOUR HEAD』にはチャーリー・マッスルホワイト、ジョー・ボナマッサ、カーク・フレッチャーといったゲスト・ミュージシャンが参加した、強力なブルース・アルバムに仕上がっている。

その早熟にして多彩なキャリアを少しずつ紹介していくかのように、この夜披露された楽曲はどれもヴァラエティに富んでいた。歌ものもあればインストもあり、ファンク調のカッティングが中心の「Letting You Go」、音使いやフィンガー・ピッキングが印象的だったジャジーな「Still Searching」、縦ノリとヘヴィなサウンドでロック・テイストを打ち出した「First Hand Look(At Down And Out)」、カントリーとファンクが入り乱れる爽快な「Triple J Hoedown」…など、スタイルに応じてバンドのサウンドやプレイ・スタイルも柔軟に変化していく。

しかし、やはり彼の主軸がブルースにあることは間違いなく、渋い喉を響かせて自ら歌うヴォーカルが主体の「When I Get Mine」「Middle」といった曲は、まるでアメリカの片田舎にあるバーにでも連れてこられたのかと思うほどの説得力に満ちていた。一方ソロ・タイムではステージ中央に歩み出て、指板上を自由に行き来しながらリズミカルなフレーズを雄弁に繰り出し、ギター・ファンを釘付けに! 終盤ではベースやドラムも巻き込んだソロ回しを繰り広げ、大きな盛り上がりの中で終演を迎えた。

一夜限りの初来日公演にして、大入りの観客の前で見事なパフォーマンスを成し遂げたジョシュ・スミス。今回は、彼のミュージシャンとしての魅力をじっくり堪能できるショウケースと呼ぶにふさわしい内容だったといえる。これを機に、今後日本の地でどんな活動が展開されていくのか、ぜひとも注目していきたい。

js-live3

js-live4

ジョシュ・スミス 2016.7.8 @ 築地BLUE MOOD セットリスト

Set 1
1. …And What
2. Pusher
3. The Way You Do
4. Letting You Go
5. When I Get Mine
6. Penance

Set 2
1. Bad Side
2. Still Searching
3. First Hand Look(At Down And Out)
4. Triple J Hoedown
5. The Middle
6. Where is My Baby

Encore:
1. Angel(Jimi Hendrix)
2. Don’t Give It Up(Larry Carlton)

ジョシュ・スミス 使用機材

(クリック or タップで拡大)


(左写真)
ショウを通して、2本のギターを使い分け、軽く歪ませた美しいクランチ・トーンを聴かせていたジョシュの機材。まずギターに関して、写真のTLシェイプは2006年にオレゴン州ポートランドのギター・ビルダー、ビル・チャピンが手がけたChapin“T-Bird”だ。’50年代を彷彿させるこのモデルはアッシュと1ピース・メイプル・ネックなどが使われており、フロント・ピックアップはローラー製、リアはビルダーのチャピン製カスタム。その左は2015年にドイツで製作されたReal Guitarsの”59/60 LP Burst”だ。以前ジョシュがツアーで使用していた、1960年製のバースト・フィニッシュのレスポールを彷彿させるスペックが特徴。ネックとボディーはマホガニー、メイプル・トップにローズウッド指板を採用。アンバー・ピックアップの“59”をマウントしている。

アンプは、メインが写真右端のダンブル“Over Drive Special (6L6) 100W”。キャビネットは“Mitch Nagasawa Cabinet 2 x 12 Oval Open Back”を使用。サブはブルードトーン“Bluesmaster (6L6) 100W”に“Mitch Nagasawa Cabinet 1 x 15 Open Back”となっている。

(右写真)
ペダルボードには左から時計回りにイーヴンタイドの空間系“H9”、カタリンブレッドのリヴァーブ“Topanga”、TCエレクトロニックのディレイ“Flashback”、ジム・ダンロップのワウ、ヴェムラムのファズ“Shanks 4K”、TCエレクトロニックのチューナー“Polytune”、ラヴペダルのオーヴァードライヴ“Tchula”。このうち“Tchula”は同ブランドの“COT50”を元にして作られたジョシュのオーダーにより生まれた製品のようだ。なお、ヴェムラムのステッカーが貼られている左上は、ヴードゥーラブのパワー・サプライだ。