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ライオット 2018.3.10〜3.11 @川崎クラブチッタ ライヴ・レポート

レポート●奥村裕司 Yuzi Okumura 写真●Isao Nakamura

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アメリカのヴェテラン・メタラー:ライオット(RIOT V)が再来日! 去る3月初旬、クラブチッタ川崎にて2夜連続公演を行なった。今年は’88年の名作『THUNDERSTEEL』のリリース30周年ということで、その全曲再現を敢行。当初、同作でのメンバー:トニー・ムーア(vo)&ボビー・ジャーゾンベク(dr)をゲストに招き、“LOUD PARK”に出演するとのアナウンスもあったものの、事情が変わったのか、ゲストなしでの早めの来日となったのである。ちなみに、今年はクラブチッタも開業30周年。よってMCでは、「『THUNDERSTEEL』も30周年、クラブチッタも30周年だ!」とのお祝いコメントが飛び出した。

現バンド・ラインナップは、トッド・マイケル・ホール(vo)、マイク・フリンツ(g)、ニック・リー(g)、ドン・ヴァン・スタヴァン(b)、フランク・ギルクリースト(dr)と’14年から変わらず。ショウは両日とも2部構成で、第1部は近作からの楽曲を中心に往年のナンバーも含むセット(ほぼ同内容ながら2曲が日替わり)、第2部が『THUNDERSTEEL』再現だ。驚いたのは、まだ発売前だった最新作『ARMOR OF LIGHT』のタイトル・チューンを第1部の1曲目にもってきたこと。ただ、印象的なツイン・リードで幕を開け、疾走ビートが炸裂すると、すぐさまフロアでは激しいヘッドバンギングとフィストバンギングの嵐が巻き起こる。さらに第1部の終盤には、『ARMOR OF LIGHT』からもう1曲プレイ。「Thundersteel」に似たイントロを持つ「Messiah」だ。これまたパワー満載の疾走曲で、まさしくヘドバンに最適! マイクとニックによる掛け合いソロからツイン・ハーモニーへという展開も劇的この上ない。
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現在28歳、元々はマイクのギター教室の生徒というニックの成長っぷりも目を見張るモノがあった。掛け持ちでもうひとつバンド(MOON TOOTH)をやっていて、スケジュールが重なった時はそちらを優先することもあるそうだが、決してライオットを軽視してなどいないことは、そのギター・プレイを見ればよ〜く分かる。加入4年目にして、もはや彼はライオットの何たるかをすっかり把握し、体得もしているのだ。普通、他のメンバーと親子ほども年の離れた若いギタリストが加われば、バンド内のバランスは色々とおかしくなるハズ。しかし、何ら違和感はない。それどころか、ニックが奏でるフレーズの端々からは、故マーク・リアリのニュアンスが強く感じ取れ、曲のエンディングで弾いたちょっとしたアドリブが、まんまマークみたいで思わずハッとさせられることも少なくなかった。

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以前インタビューで、「先生が良かったからじゃない?」と笑顔を見せたニック。彼の横でマイクは苦笑いしつつ、その表情は誇らし気でもあった。そう、この師弟コンビによって、マーク・リアリの魂は確実に受け継がれているのだ。エモーショナルな泣きのメロディーとブルージーな燻し銀のプレイが光るマイクは、当然『THUNDERSTEEL』アルバムを曲順通りに演奏していく第2部でも大活躍。元々正確かつ丁寧なプレイヤーだけあり、その再現力には新旧いずれものファンが唸らされたに違いあるまい。

ところで、『THUNDERSTEEL』といえば、終盤がちょっと地味め…。バラード調で始まる「Bloodstreets」は名曲とはいえ、一旦そこでノリが落ち着いてしまうし、続く「Run For Your Life」も爆発力のある曲ではないため、そうした流れから長いイントロを持つ約9分の「Buried Alive(Tell Tale Heart)」でショウ本編を終えるのは危険かも…と心配になったものの、全くの杞憂に終わった。その「Buried Alive」のイントロは、ステージが暗転する中、CD音源がそのまま流されるのだが、そこから一旦ハケたメンバーが再登場しての生演奏はなかなかドラマティックで、絶妙な余韻を残しての終幕を演出してくれたのである。

そしてアンコールでは、2日間とも「Road Racin’」(’79年『NARITA』収録)、「Swords And Tequila」(’81年『FIRE DOWN UNDER』収録)、「Warrior」(’77年『ROCK CITY』収録)と初期3作から文字通りのキラー・チューンがダメ押しとばかりに連打! 大団円となった「Warrior」では、バンドの象徴とも言うべきキャラクター:ジョニーに扮した謎のアザラシ軍団(手には斧!)が大挙して登場し、大いにフロアを沸かせた。また、2日目のみラウドネスのベーシスト:山下昌良が飛び入りし、サプライズ共演したことも特筆しておきたい。

その後──4月下旬に『ARMOR OF LIGHT』をリリースしたライオット。同作に伴うツアーでの再来日にも期待したいところだが…さて?!

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ライオット 2018.3.10〜3.11 @川崎クラブチッタ セットリスト

3月10日

[第1部]
1. SE〜Armor Of Light
2. Ride Hard Live Free
3. Still Your Man
4. Black Leather And Glittering Steel
5. Fall From The Sky
6. Wings Are For Angels
7. Land Of The Rising Sun
8. Take Me Back
9. Messiah
10. Angel Eyes
11. Metal Warrior

[第2部]
12. Intro(SE)〜Thundersteel
13. Fight Or Fall
14. Sign Of The Crimson Storm
15. Flight Of The Warrior
16. On Wings Of Eagles
17. Johnny’s Back
18. Bloodstreets
19. Run For Your Life
20. SE〜Buried Alive(Tell Tale Heart)

[Encore]
21. Road Racin’
22. Swords And Tequila
23. Warrior

3月11日

[第1部]
1. SE〜Armor Of Light
2. Ride Hard Live Free
3. On Your Knees
4. Metal Soldiers
5. Fall From The Sky
6. Wings Are For Angels
7. Land Of The Rising Sun
8. Take Me Back
9. Messiah
10. Angel Eyes
11. Metal Warrior

[第2部]
12. Intro(SE)〜Thundersteel
13. Fight Or Fall
14. Sign Of The Crimson Storm
15. Flight Of The Warrior
16. On Wings Of Eagles
17. Johnny’s Back
18. Bloodstreets
19. Run For Your Life
20. SE〜Buried Alive(Tell Tale Heart)

[Encore]
21. Road Racin’
22. Swords And Tequila
23. Warrior