dEnkA/KNOCK OUT MONKEY

dEnkA/KNOCK OUT MONKEY

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自分のバックボーンにあるハード・ロック的な要素が散りばめられている

YG:9曲目「Burning」。この曲は半音単位の転調が頻繁に出て来るのが特徴的ですね。
D:もともとそういう、半音ずつKeyが変わっていくような展開の曲を作ってみたかったんですよ。だから弾くのがめちゃくちゃ大変で(笑)。けっこう昔作った曲で…2014年くらいだったかな。サウンドプロデューサーの大島こうすけさんとw-shunと一緒に、最初は打ち込みの形でアイデアをまとめていたんです。単純なように聴こえて実はめちゃくちゃ面倒くさい、そういうスタイルを狙って作った曲ですね。

YG:対して10曲目「Do it」はかなりストレートで、珍しく頭から終わりまでギター1本で弾けそうな曲です。
D:それがテーマの1つでもありました。例えばギターを弾き始めた頃の中学生でも弾けるぐらい、難しくし過ぎないないように。この曲は既に昨年11月にシングルとして出しているんですが、だからこそギター・キッズにコピーしてほしいなと思ったんですよ。ただシンプルに思わせておいて、リズムは敢えて突っかかるようなヒネリを加えてあります。

YG:プリング多用したギター・ソロのフレーズも面白いですね。あれも弾けそうで弾けないパターン。
D:あれはスティーヴィー・レイヴォーンの影響ですね。「Scuttle Buttin’」のリフみたいなイメージです。

YG:なるほど、言われてみれば(笑)。ああいう凝ったフレーズのアイデアって、普段から溜めておくんですか?
D:溜めておくこともあるんですけど、ストックがない時はレコーディングのその場で色々考えますね。例えばスタート部分だけ、自分が影響を受けたギタリストのアイデアを借りて、アレンジしながら自分らしく変えていくということはよくやります。

YG:最後の「Run」。これはイントロとアウトロに出て来るピッキング・ハーモニクスのフレーズが弾いていて気持ち良さそうで、「なるほど、これをやりたかった曲なんだな」と思いました。
D:でもこのフレーズ、運指が特殊で実は弾きにくいんです。どうやってもフレットとフレットの間が離れてしまうんですよ。弦を縦に移動しながら弾けばいいんでしょうけど、それはそれで弾きづらくて仕方がない…みたいな。だから小指を多用せざるを得ないですね。ただ、僕は昔から小指がわりと強いんですよ。1音チョーキングも普通に小指でやるから、みんなに珍しがられます(笑)。

YG:ギタリストなら絶対にコピーしたくなる曲の1つだと思うので、ぜひプレイスルー動画を作ってほしいと思いました。この曲に限らず、ラウド・ロックのジャンルでこれだけ忙しくギターを弾く人って珍しいと思うので、KNOCK OUT MONKEYを知らない人はけっこう衝撃を受けると思うんですが。
D:確かにライヴでは忙しいから、たまに休みたくなります(笑)。チューニングをする暇もないぐらい。

YG:だから最近、ロック式トレモロのギターを弾いているんですか? フロイドローズが載ったギブソン“Les Paul Axcess”がメインですよね。
D:確かにチューニングのこともあるんですけど、新しい可能性としてアームがほしいなと思ったんですよ。僕に対してはレスポールのイメージを持っている方も多いと思うので、“Les Paul Axcess”を選びました。2015年8月のツアー辺りから使っていますね。

YG:アンプはいかがでしょう? 先日見せていただいたライヴでは、メサブギー“Triple Rectifier”の3段積みがステージにドーンと置いてありましたよね。ラックの中にケンパー“Profiling Amplifier”や、フラクタル・オーディオ・システム“Axe-Fx II”も入ってはいましたが。
D:ライヴで鳴らしていたのはケンパーなんですよ。プロファイリングしてある音は“Triple Rectifier”なんですけどね。ケンパーだと音の管理が楽で、会場が代わってもPAに同じ音を送れるし、特にフェスみたいにサウンドチェックに時間がかけられない時に便利なんですよね。ただレコーディングでは本物の“Triple Rectifier”を鳴らしてます。それ以外では マーシャル“JCM 2000”と、EVH“5150 III”なんかも使いました。それからヒュース&ケトナーの小さいヘッド…“GrandMeister”、メサブギー“Mark I”なんかも用意しましたけど、そっちはあまり使わなかったかな。

YG:エフェクターは“Axe-Fx II”ですか?
D:いや、コンパクト・エフェクターを並べて使っています。色々使いましたよ、BOSSの“DC-2 Dimension C”とか、ロスの古いコンプレッサーとか…。

YG:趣味の世界ですね(笑)。
D:趣味もありますし、ギター・テックさんがマニアックなんですよ。

YG:やはりアナログだと音が違いますか?
D:違いますね。1つ1つ個性が全然違います。デジタルの方が綺麗なんですけどね。ただアナログの少し濁っている音が、太さとして聴こえたりもするじゃないですか。けっこう色々と試して使いましたよ。

YG:機材の話だけでも1時間ぐらい話せそうですね(笑)。では最後に、新作『HELIX』を今から聴く方々に向けてメッセージを。
D:今回は色んなことに挑戦しつつも、自分のバックボーンにあるハード・ロック的な要素が散りばめられている作品になったと思います。KNOCK OUT MONKEYは現代のバンドではありますが、そういう意味で温故知新的なスタイルもあって…、だから若い世代にも昔からのロック・ファンにも聴いてもらいたいですね。