VAMPIRES／フランシス・ダナリー

イット・バイツの元フロントマンのソロ作３種が一挙リリース。中でも注目は、Ｉ・バイツの過去曲を再録した『VAMPIRES』（’16年）で──もうずっとかつてのイメージから距離を置き、’09年作『THERE’S WHOLE NEW WORLD OUT THERE』では大胆改変リメイクでファンを戸惑わせた彼だが、ここではほぼ原曲通りのプログレ・ポップ路線を再構築。ただし単なる焼き直しとはならず、年輪を重ねたからこそのギターは流麗さと円熟味のバランスが絶妙だ。亡き兄に捧げた『FRANKENSTEIN MONSTER』（’13年）、’91年のソロ第１弾のリメイク『RETURN TO THE WILD COUNTRY』（’16年）が同時発売。

【文】奥村裕司