HEAVY FIRE／ブラック・スター・ライダーズ：リジィらしさを残しつつ現編成の個性を押し出した3rd

シン・リジィらしさはそのままに、現ラインナップが持つ個性をより前面に押し出した３作目。フィル・ライノットを思わせるリッキー・ウォリック（vo）の節回しもこれまで以上に力強く骨太で、スコット・ゴーハム（g）とデイモン・ジョンソン（g）によるツイン・リードも哀感たっぷりだし、ソロの掛け合いも熱い。前２作と比べると耳に残るアイリッシュな旋律は減った印象だが、その分、ジミー・デグラッソ（dr）が躍動感溢れるプレイで楽曲をグイグイ引っ張っており、テンポ・チェンジを交えながら小気味よく展開する高純度のハード・ロックはフック満載！　特に冒頭４曲は完璧な流れで一気に聴かせる。

【文】Masa Eto