STRANGERS -JAPAN EDITION-/HOTEI

STRANGERS -JAPAN EDITION-/HOTEI
アーティスト名HOTEI
HOTEI
アルバム名 STRANGERS -JAPAN EDITION-
STRANGERS -JAPAN EDITION-

CD+DVD | ユニバーサル ミュージック ジャパン | 2015年10月16日発売

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日本を代表するロック・ギタリストでありながら、その地位に安住せず、3年前にイギリスへ渡って一から世界への挑戦を始めた布袋寅泰。昨年、アルバム『NEW BEGINNINGS』が日本でリリースされたが、本作はそれを基にしながら、新たな楽曲や試みを加えたインターナショナル・デビュー盤だ。ソロになってからの彼はシンガーも兼ねていたが、前作から歌うことを封印しており、本作もインストゥルメンタル・ナンバーと複数の海外シンガーをフィーチュアした楽曲で構成されている(『NEW BEGINNINGS』でのイギー・ポップ参加曲もそのまま収録された)。この辺りからも、彼がシビアに“世界を見ている”ことが分かる。

サウンド的にはダンスやエレクトロの要素も濃く、ジェフ・ベックのいわゆる“テクノ3部作”を思わせる部分もある。そのやや人工的なサウンドの中から立ち昇ってくる布袋のギター・プレイは生々しく、時に強烈で、時に叙情的だ。決してギターだけを聴かせるためのアルバムではなく、トータル性を重視していることが分かるが、やはり彼のプレイの存在感は圧倒的。「日本の布袋、ここにあり!」と言いたくなる。

映画『キル・ビル』のメイン・テーマ「Battle Without Honor Or Humanity」もオリジナルのまま収録された。名刺代わりにということだろうが、この名刺が要らなくなる日も近いと思う。

【文】細川真平