D.A.R.K. -In the name of evil-／lynch.

アグレッシヴさもメランコリックさも併せ持つ固有の楽曲を創造し続けてきた、名古屋を拠点とする５人組が放つメジャーでは４枚目となるフル・アルバム。前作『GALLOWS』（’14年）が結成からの10年間を集約する彼らの音楽的最高到達点だったとすれば、本作は確実にその先に見据えた理想と気概が表出した内容と言えそうだ。従来以上に多彩なアプローチが新鮮に響く一方で、逆説的に浮き彫りとなる核となるlynch.らしさ。重厚なリフから、透明感や浮遊感を導くアルペジオまで、フレーズの特性を活かすギターのサウンド・メイキングも安定のうまさだ。瞬発力と奥深さが絶妙なバランスで共存した逸品。

【文】土屋京輔