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SALTING EARTH/RICHIE KOTZEN

SALTING EARTH/リッチー・コッツェン

アーティスト名 RICHIE KOTZEN
リッチー・コッツェン
アルバム名 SALTING EARTH
SALTING EARTH


CD | Headroom-Inc. | 2017年4月14日発売

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リッチー・コッツェンは今も変わらずテクニカル・ギタリストであり、日本のファンの大半からそういう路線が求められているというのはリッチー自身も把握しているようだが、あくまで近年のソロ・アルバムはギターを聴かせることに固執しない、総合アーティストとしての姿をアピールする作品であることはご存じの通り。今回の最新アルバムも「荒れ狂うようなプレイが聴きたければワイナリー・ドッグスを聴いてくれ」と言いたげな作風だ。スティーヴィー・ワンダーあたりを聴いている気分になるピアノ曲「My Rock」など、超一級の“歌”を楽しむアルバムであるのは間違いない。

ただ、意図的にギターの音量を下げていた前作の『CANNIBALS』(’15年)と本作を同列に置いて片づけることはできないだろう。不穏なエフェクト音から始まるダイナミックな「End Of Earth」では豪快に弾いているし、歌モノ曲でも玄人好みでファンキーなバッキングが光っている。いかにもリッチーらしいハード・ロックである「Thunder」「Make It Easy」は『GET UP』(’04年)のアウトテイクを再利用した、純粋な新曲でないというのが驚きだが…。いずれにしても6弦奏者としての巧さを味わえる出来だ。以前の来日時は『CANNIBALS』収録曲の印象がCDで聴くのとはまるで違ってギターが冴えまくっていたことを憶えているが、8月の日本公演では前作以上にギターが活きてくるかもしれない。
(斎藤新吉)