SATYRICON／SATYRICON

ノルウェーの重鎮ブラック・メタラーによる約５年ぶりの第８作。ここ数作の延長線上…というより、さらにステレオタイプな北欧ブラックのスタイルから遠ざかり、隙間を活かしたシンプルな路線が推し進められている。ただし、荒涼とした冷徹さは健在で、ドゥームもゴスも飲み込んだとことん暗黒なサウンドは、相変わらず呪術効果も満載で、非現実的＆非日常なムードをどろどろ発散。同郷の非メタル系人気シンガーにリード・ヴォーカルを譲った「Phoenix」も興味深い。尚、ギター・パートはこれまで通り基本サティアー（vo）が自らプレイするも、ツアー・ギタリストのジルダ・ル・パプも召喚されているようだ。
（奥村裕司）