STRIKER／ストライカー

カナダ出身の正統派ヘヴィ・メタル・バンドによる5thアルバム。’80年代メタルに軸足を置きつつも、ノスタルジーの中で自家中毒になるなんざまっぴら御免とばかりの前のめりな姿勢が今回も貫かれており、特にスラッシーなまでにキレのいいリズム・プレイが光る。日本でも注目された2nd『ARMED TO THE TEETH』（’12年）や3rd『CITY OF GOLD』（’14年）よりも楽曲の幅が広がって、よりキャッチーでドライヴ感に溢れるアプローチが採られており、全体の生き生きとした印象が好材料だ。男らしく勢いのあるコーラス・ワークも効果的。セルフ・タイトルに相応しい、決意のほどが窺い知れる好盤だ。

【文】小澤明久