GHOST SHIP／シアクラシー

アメリカ南東部のジョージア州アセンズを拠点とする４人組が、約５年ぶりに放った４作目。メロディック・パワー・メタルを基盤にしながら、時にはプログレッシヴな展開を盛り込み、アグレッションの表現にはスラッシュに通じる豪快さも見せる音楽性に、基本的な変化はない。ただ、彼らの持ち味でもある10分近い長編もあるとはいえ、楽曲そのものは以前よりもコンパクトにまとめられており、印象的な旋律が増えたことも相まって、タイトル・トラックを始め、全体像としてのキャッチーさが高まっている。この広範なアプローチを形にする流麗なツイン・ギターもポイント。新たなファン層を開拓しそうだ。

【文】土屋京輔