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TONY MACALPINE/DEATH OF ROSES

デス・オブ・ローゼズ〜薔薇に死す〜/トニー・マカパイン

TONY MACALPINE - DEATH OF ROSES
アーティスト名 TONY MACALPINE
トニー・マカパイン
アルバム名 DEATH OF ROSES
デス・オブ・ローゼズ〜薔薇に死す〜


CD | キングレコード | 2017年12月27日発売

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’15年に『CONCRETE GARDENS』を発表した後ほどなくして、ガンを公表して闘病生活に入っていたトニー・マカパイン。その無念を晴らすかのような入魂の新作だ。ザッパ・プレイズ・ザッパで知られるピート・グリフィン(b)、ハンガリー出身のジェルゴ・ボーライ(dr)という凄腕2人を引き連れた本作は、ソロ名義のスタジオ作としては12枚目に当たる。全体のカラーは前作を踏襲しつつも、近作のような暗く重い8弦ギターの音色は目立たず、耳に残るキメ満載の正調プログレッシヴ・メタル作に仕上がっている。初期のクラシカル路線とは明確に違うし、『EVOLUTION』(’96年)辺りに近いかと一瞬思ったが、あの時期のアルバムよりも方向性は絞れていて、質感はヘヴィでテクニック面でも痛快。このバランス感覚は過去の作品群と比べても秀逸だ。

緻密なギター・ワークに心奪われる「Chrome Castles」、アヴァンギャルドなリードに唖然とさせられる「Electric Illusionist」、無機質な変態リフが刻まれる「Synthetic Serenity」、ブルージーに弾いていると思いきや破壊的に展開する「Death Of Roses」、プラネットXからの流れを感じさせるハード・フュージョン「Axiomatic Jewels」、バンドが一丸となった音像の中で音域の広い超絶ギターが延々暴れる「Entropy」、得意のピアノから始まる獰猛なプログレ曲「Shundor Prithibi」。以上全7曲、これだけ密度が濃いのに総再生時間は約30分。壮絶にして簡潔!
(斎藤新吉)