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奏法・理論・作曲

浮遊感のあるソロを弾きたい!(動画&譜例あり)

スコット・ヘンダーソンやアラン・ホールズワースの様な浮遊感のあるソロを弾きたいのですがどの様な音使いをすればよいか分かりません。

(fusion/10代/男性)

浮遊感(アウト)は着地(イン)とのバランスが大切です!

浮遊感があると感じたり、感じさせたりする方法は色々あると思いますが、一括りに言うと一般的な状態からアウトしている状態であると思われます。 アウトさせる対象はメロディー、ハーモニー、リズムなどの音楽要素であったり、 はたまた音色そのものであったりと様々です。

今回、分かりやすくほぼペンタトニック・スケールを用いて、メロディーに浮遊感を持たせる5つの譜例を作ってみました。

浮遊感(アウト)は着地(イン)しないとよく分からないソロになってしまったり、 間違って聴こえたりしてしまうのでインとアウトのバランスが大切です。 その点も動画や譜例を参考にしてもらえればと思います。

※譜面はクリック/タップで拡大できます

Ex-1 インターヴァルの広いフレーズ

4度以上のインターヴァルでメロディーを弾くと、使用する音はコードに対してインサイドになっていても、聴感上の浮遊感が得られます。3小節目がその例で、1〜2拍はAmのコード・トーン。3〜4拍はAマイナー・ペンタです。マイナー・ペンタのボックス・ポジションが見えていれば、弦を跳ばすことで広いインターヴァルが得られます。

Ex-1 インターヴァルの広いフレーズ

Ex-2 3つのペンタ

3つのペンタで同じモチーフ(短いフレーズ)を弾くアイデアです。Am7をKey=GメジャーのIIm7と見たらAドリアンのモードが使えることになり、 アヴォイドすべきテンションはなくなります。そこで、Am(IIm)ペンタで弾いたモチーフをBm(Ⅲm)とEm(Ⅵm)のペンタでも同じ様に弾くことが可能になります。Am(Ⅱm)に対して Eマイナー・ペンタを弾くと9th(B音)のテンションが得られ、Bマイナー・ペンタを弾くとドリアン特有の13th(F♯音)が得られます。

Ex-2 3つのペンタ

Ex-3 ペンタをずらす

Aマイナー・ペンタの音を半音ずらすことで、アウトサイドの浮遊感を簡単に得られます。譜例では1小節目の4拍目と3小節目の3拍目を半音上へアウト、3小節目の4拍目は半音下からアプローチしています。アウトサイドの音はインサイドに戻らなければミス・トーンに聴こえるので、外した音の着地先が大事です。

Ex-3 ペンタをずらす

Ex-4 コードを想定する

コード進行を想定してメロディーを弾くアイデアです。譜例の3小節目はKey=Fメジャーの様なラインを弾いているのでアウト感は強いですが、全体のメロディー・ラインは目的(コード進行)があるので理にかなった浮遊感を得られます。想定するコード進行をAmに戻ってくるように設定すれば、インサイドへの綺麗な着地が可能です。

Ex-4 コードを想定する

Ex-5 モチーフを規則的に動かす

これはEx-2に似ていますが、1つのモチーフを規則的に動かすアイデアです。中でもよく用いられるのは1音半ずつ(ディミニッシュ)や、2音ずつ(オーギュメント)で動かす方法で、譜例では3小節目の頭から同じモチーフをディミニッシュで下降しています。ディミニッシュとオーギュメントは動かし続けると元の音に戻ってくる特徴があるので、強烈な浮遊感を経過しつつも自然と元に戻る扱いやすさがあります。

Ex-5  モチーフを規則的に動かす