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ギターなるほどQ&A

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DAW・宅録

ギタリストがDAWソフトを選ぶ基準は?

世の中にはいろんなDAWソフトがありますが、何を選べば良いのでしょうか。どこを基準にしたら良いか教えて下さい。私はWindowsを使っていて、バック・トラックは打込みで、ギターを録って曲を作ったり、単にバックのテンポを変えてギター練習に使ったりしたいと思っています。

(亜弥/20代/女性)

製品の違いに大差はないと思われます。ギター選びと同じ感覚で!

ギター選びと同じ感覚で、身近な人や好きなアーティストが使用しているものを選ぶのが良いかと思います。バンド・メンバー間で同じDAWソフトを使っていればデータのやり取りが安易になりますし、使い方の共有もできますので上達も早くなります。

なおかつシェアの多いものを選べば、不具合解消のアップデートの頻度が多かったり、使い方等の情報もネット上に多く出回ったりするので、困った時の問題解決速度も速いと思います。

Windowsでしたら個人的にスタインバーグのCubaseかプリソーナスのStudio Oneがお勧めです。ちなみに僕はCubaseユーザーです。ここでは、僕が気に入っているCubase(下画像)の特徴などを踏まえてお話します。参考にしてみて下さい。(画像はクリック/タップで拡大)

Cubase メイン画面

現在はPro Tools、Cubase、Digital Performer、Logicなど、様々なDAWソフトが存在していますが、現行のほとんどの製品において、結果として出来ることの違いに大差はないと思われます。

では、ソフト間で何が違うかと言うと、 インターフェイスの違いに伴うボタンの配置、“バス・トラック”か“グループ・トラック”かといった、同一の機能を表す言葉、さらにオーディオ・トラックやインストゥルメント・トラックの作り方といった操作性などです。 すなわち同じ作業を行なう際にソフトによって過程が違ってくるのです。

例えば、Cubaseにはドラムエディターといって、ドラム音源専用のMIDIデータ入力画面があります。

一般的にMIDIトラックへの入力はピアノロールと呼ばれる画面にて行ないます。 ピアノロールでは、音(ノート)の長さが一目で分かるようになっており、メロディーなどを打ち込む時に便利です。こちらはアップルGaragebandのピアノロール画面です。

ピアノロール画面

一方ドラム音源において、キックやスネアといった各ノートの長さは極めて短い点のようなものです。Cubaseには、下の画像のようにMIDIデータがグリッド(マス目)の形式で表示されるドラムエディター機能があり、ノート長をあまり気にしなくてよいドラムの打ち込みを、ドラムスティック・ツールと呼ばれる専用ツールを使ってポイント的に入力していくことが出来ます。Digital PerformerやLogicなどにも、ドラムエディターの機能は存在します。

Cubase ドラムエディター

個人的にピアノロールよりもグリッドの方が見やすく編集が楽に感じます。 ピアノロールでも全く同じドラム打ち込みができますが、ドラムエディターを利用するとより操作が快適です。 しかしどちらでも、結果としては同じ内容のMIDIデータが打ち込まれます。

こういう部分が、僕の言う操作性の違いにあたります。

ここで紹介したいのが、前述したプリソーナスのStudio Oneです。このソフトは元Cubaseのエンジニアが開発しており、Cubaseを彷彿させるところがあります。

Studio One メイン画面

CubaseとStudio Oneを比較すると、例えば“複製”という作業を行なうキーボードのショートカットがCubaseではCtrlキー+Dなのに対して、Sutdio OneではDのみ押せばOK…と、ショートカットが簡略化されているのがメリットです。また、ウインドウを切り替えることなくMIDIデータやオーディオ・データの埋め込み、インストゥルメント、エフェクト等をドラッグしての読み込みができます。

さらに、Cubaseでマスタリング作業を行なうには別売りのソフトが必要となりますが、Studio Oneではソフト内でマスタリングが行なえます。また、Cubaseはソフトの違法コピー対策用として、ドングルと呼ばれる小さなディヴァイスをパソコンに接続しなくてはならないのですが、Studio Oneではドングルが不要。 一方、Cubaseに備わっているドラムエディターや五線譜を表示させるスコア機能、トラックの内容や設定をロックできる機能等はStudio Oneにはありません。

Cubaseの多彩な機能が不要だと感じているユーザーには、Studio Oneの方が作業効率アップが図れる良いDAWソフトになると思います。

長年同じソフトを使っていると、データの互換性の問題で乗り換えがなかなか難しいですが個人的にはStudio Oneはドングルが不要なのは羨ましいです。 故障や紛失に気を使いますから、外出先でレコーディングを行なう際など、機材をすべて持ち込んでいてもこれを忘れてしまったら一貫の終わりです。 Cubaseもドングルがなくなって欲しいものですが…。