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奏法・理論・作曲

対位法とはどのように勉強すればいいのでしょうか?

以前対位法を使ったハモリフレーズという練習譜面を見て、気になったので対位法を調べたのですが全然理解できませんでした。

対位法とはどのように勉強すればいいのでしょうか?

(Fire/20代/男性)

専門的に学ぶ必要がありますが、ロックには自由な考え方でOK

対位法とはカウンターポイントとも呼ばれ、複数の独立したメロディーを同時に組み合わせる曲を作る時に使われる技法のことを指します。

ロック・バンドのギターに置き換えて考えてみましょう。例えばリード・ギタリストが弾くソロの主旋律に対してサイド・ギタリストは同じ旋律を3度や5度下または上に下げたものを演奏する場合、これは単なる“ハモりのソロ”で、対位法が活かされているとは言いにくいです。対して、2人のギタリストがまったく別な独立したメロディーを同時に演奏しているんだけど、音と音がぶつかることなく、調和がとれて美しく聴こえる…というもの。これは、対位法が使われたハモりのフレーズといえます。おそらく、Fireさんが見たのもこういったフレーズだったのでは?

この技法はクラシックで古くから使われており、調和のとれた同時進行のメロディーを作り、そのバランスを保ち続けるためのルールが確立されています。例えば…

◎調和がとれているとされる音程(協和音程)は、3度、6度、完全1度(ユニゾン)、完全5度、完全8度(オクターヴ)など。不協和音程とされているのは増音程(オーギュメント)、2度、4度、7度など。
◎強拍(1拍目、3拍目など)には協和音程を使うこと。
◎不協和音程を使ったら協和音程に戻ること。

…などがあります。専門書を読んだり、芸術系の音楽学校に通ったり、個人の先生に師事するなどすればより真剣に学ぶことができるでしょう。響きが重視されるため、ギターに応用する際は高速フレーズというよりは音価の長い少しゆったりとしたメロディーが良いと思います。ただ、ロックやポップスで対位法を活かしたフレーズを考える場合、あまり難しく考えない方が良いような気がします。上記で不協和とみなされている音程も、現在ではカッコ良い響きとして広く使われていますからね。応用出来そうな所を取り入れてみるといいのでは? 

実際に対位法が使われている曲の例としては、ヨハン・セバスチャン・バッハの楽曲などが有名ですが、イングヴェイ・マルムスティーンなどはモロにバッハの影響を受けていますね。アルカトラスの「Coming Bach」(’84年『LIVE SENTENCE』収録)などはその一例です。プログレッシヴ・バンド:イエスの楽曲や、ザ・ビートルズの「Help!」(’65年『HELP!』収録)のヴォーカル・パートなどにも対位法が使われているといえます。

また、同一のメロディーをタイミングをずらして追いかけっこのように演奏する「かえるの合唱」などの輪唱も対位法が活かされた例の1つです。どこかの小節を切り出してみた場合、全く別々のメロディーが調和して聴こえていますよね。

かえるの合唱(抜粋)

かえるの合唱(抜粋)

参考までに、音程差もチェックしてみましょう。
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調和のとれたメロディーとはどんなものかを理解しつつ、自分がカッコ良い響きだなと思うギター・ソロを自由な考え方で構築してみて下さいね!