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DAW・宅録

マスタリングはどのように行なうのがベスト?

そこそこな数の曲ができてきたので1つのアルバムにまとめようと思っているのですが、マスタリングはどのように行なうのがベストでしょうか?

ミックスの段階でリミッターなどを使って限界近くまで上げているので、リミッターをすべて外して行なった方がいいのでしょうか?

Cubaseを使用しているのですが、一般的なやり方があれば教えていただきたいです。

(グレイ/20代/男性)

自分でマスタリングする時のコツを紹介します

マスタリングというのは、基本的に言えばCDをプレスする際のマスター音源を作る行程を指します。また、現在のアルバム制作においては、各楽曲の最終的な音量や音質を揃えたり、曲間の秒数を調整したりと、いわば制作の最終行程もマスタリングと呼ばれています。さらに、昨今ではマスタリングは音圧を稼ぐという認識も強まっているのではないでしょうか?

まず言えるのが、マスタリングの作業はとてつもなく奥が深い世界ということです。ピアニスト、ヴォーカリスト、ギタリスト…などなど、各楽器の演奏者は、プロフェッショナルになるまで少なからず10年以上修行を積んで来ています。そしてマスタリングも一つの職業であり、一朝一夕に修得出来る作業ではないことを理解してほしいです。

故に一般的にはマスタリング・スタジオに依頼するのが基本です。が、今回はあくまで自分でマスタリングする場合のコツをお教えしましょう。

ミックスの段階では、各楽曲が音量レベルに余裕を持った状態で2ミックスに書き出すのが基本です。コンプレッサーなどは使っても良いですが、音を潰し過ぎないことが重要です。楽曲同士の音量を揃える際は、全体的にバランスを取り均等化させた上で、一つ物足りない…と感じるくらいが丁度いいでしょう。全曲の音量が揃った段階で、すべての音源にコンプレッサーやEQなどをかけて最終処理を施し、リミッターなどで最終的な音圧を稼ぐのが一般的かと思います。

マスタリング時には、マスターEQの掛け方によって楽曲の印象を明るくしたり暗くしたりすることが可能です。この時、PC内部のデジタル・プラグインだけで処理するより、実機(アウトボード)のコンプレッサー、EQなどに音を通すと、アナログ機器ならではの太く質感豊かなサウンドに仕上げることが出来ます。なお、プラグインにはこの実機をシュミレートしたものもあります。

プラグインと実機との音の違いを説明するのは難しいですが、例えばアンプ・シュミレーターのサウンドと本物の真空管アンプのサウンドを比べた時、どちらの良さもありますがこれらはお互いに似て非なるものです。チューブ入りの生姜と生のすり下ろし生姜だって、味の違いは歴然です(笑)。確かに同じ生姜ではありますが、奥行きが違いますよね。

ゆえに所有している機材の種類や、その機材の特性を生かした音作りの知識がどれだけあるかによっても、マスタリングのクオリティは変わってきます。

本当に奥が深い世界で、寿司職人にたとえれば“シャリに10年”といったところでしょうか(笑)。正解はない世界なので、色々研究してみるのが修行になります。

是非根気強く頑張って、自分なりのサウンドを築き上げて下さい。