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PreSonus Notion 5 実用ガイド 〜目指せ!! 譜面の達人〜

ギタリスト必見、楽譜がスラスラ書ける驚異のソフトを紹介!

文●坂本光久

STEP 3 譜面制作だけじゃない! “Notion 5”が備えた+αの特徴

本格的なサウンド調整も自由自在

先述の通り“Notion 5”にはミキサー機能も備わっており、プレイバックの音像を適切にミックスして高品質に仕上げることができる。ミックスというのは文字通り音を混ぜる作業のことで、バラバラだった各楽器の音量を整えて全体を聴きやすくしたり、エフェクトを掛けて空間を作ったり…といった調整を行なう。曲全体の印象がガラリと変わると言っても過言ではないので、じっくり取り掛かりたいところだ。

“Notion 5”のミキサー画面は非常にシンプルだが、さすがエンジニア向け製品を手掛けるPreSonusだけあって、ツボを突いた設計だ。ヴォリューム・フェーダーはかなり細かく調整できるし、パンニングは方向だけでなく広がりの幅まで設定することができる。エフェクトはEQ、コンプレッサー、リミッター、リヴァーブ、ディストーション、アンプ・シミュレーターが用意されており、DAWソフト用のプラグインを利用することも可能。もちろんトラックに直接掛けるインサートと並列で掛けるセンド、両方で使用可能だ。

さて、聴きやすいバランスへ調整するためにはいくつかポイントがある。まずは低域の扱いだ。低音には非常に大きなエネルギーがあるので、迫力を出そうとして強調し過ぎると音が割れてしまうことがある。そうすると全体の音量を下げる必要があり、かえって弱々しい音像になってしまうこともある。特に重低音は人間の耳に聴こえない周波数が多いので、音が細くならない程度にEQでカットしても問題ないだろう。

またミックスで大事なのは、各楽器の居場所を作ることだ。音が重なり合って喧嘩しないよう、「ギターの中域が出ているから、ベースの中域を下げよう」「ハイハットが右側でリズムを刻んでるから、対になるようにギターのカッティングを左に置こう」といった具合にバランスを取ると上手く行く。好きな曲のミックスを参考にしながら、色々と試してみるのが近道だ。
 

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●シンプルながら、使いやすくまとめられたミキサー。ここでエフェクトを掛けたりしながら、全体の音量やバランスを調整して行く。

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●インサート、センド、どちらも4系統のエフェクトを使用することができる。丸いツマミでセンド・エフェクトの量を調整可能だ。

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●ソロ・スイッチとミュート・スイッチの下にある、扇型の部分でパンニングを設定。全体の音像の中での各楽器の位置を決める。

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●“Notion 5”に内蔵されているエフェクトは、どれもジェントルな掛かり具合で使いやすい。アンプ・シミュレーターを使ってプレイバックのギター・サウンドをかなり歪ませられるのは、ギタリストにとっては嬉しいポイントだ。軽くドラムに掛けても効果的。

音楽作成がさらに広がる!

ここでは拡張性や互換性について話しておこう。冒頭でも紹介したが、“Notion”にはiOS版もリリースされている。PC用と比べると楽器パートの数が少なく(必要になった時にネット経由で追加購入できる)、外部プラグインの使用も不可…といった制約はあるが、言い換えると違いはその程度。手軽に持ち運び、タッチ・パネルを駆使して譜面制作や音源制作が可能なフレキシブルさは唯一無二だ。しかもiOS版で作ったデータは、PC版“Notion 5”で引き継いで使用することも可能なので、余裕のある人は両方揃えておくというのも手だ。

PC版“Notion 5”の方に話を戻そう。作った譜面データはプリンタで印刷するだけでなく、PreSonus社のDAWソフト“Studio One 3”用のソング・ファイルとして書き出すこともできる。ヴォリュームやパンといった各楽器パートのミックスの状態や、テンポ、トラック名などの情報を完全に共有できるので、譜面制作からそのままシームレスに本格的なレコーディングへと移行可能なわけだ。

また“Studio One 3”以外のソフトで使うために、MIDIやWAVの形式で出力することもできる。バンドのメンバーに譜面とMIDIデータを一緒に渡すことができれば、複雑なフレーズの場合テンポを落として練習することもできるだろう。ネットでのアップロードも実に簡単で、保存の際、SoundCloudに一発で上げてしまうことも可能だ。バンドのメンバーにはそのリンクのURLを個別に伝えればOKなので、ことが早いだろう。
 

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●iOSヴァージョンの”Notion”は、PCヴァージョンに比べて多少の違いはあるものの、譜面制作アプリとしての必要な操作をすべて行なうことができる。内蔵音源の数はやや少ないが、必要な音源は追加購入することも可能だ。音符の入力をタッチ操作でサッと行なえる分、急な手直しも簡単。PCヴァージョンよりも使い勝手はいいかもしれない。iTunes Storeで購入可能だ。

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●“Studio One 3”は、音質の良さや動作の軽快さで評判の高いDAWソフトだ。内蔵音源やエフェクトも豊富で、特にオーディオの編集に強く、本格的なマスタリング作業までも行なえる。中でもビギナー向けの“Studio One Prime”は、何と同社のウェブサイトで無償ダウンロードが可能だ!  [http://www.mi7.co.jp/studioone/

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