毎月10日発売。月刊ギター専門誌ヤング・ギターの公式ウェブサイト。

ダフ・マッケイガンズ・ローデッド/アドラー ライヴ・レポート 2013.3.7@渋谷duo

レポート●勝又龍介

DUFF McKAGAN'S LOADEDDUFF McKAGAN’S LOADED

ADLERADLER

‘12年にガンズ・アンド・ローゼズが“ロックの殿堂”入りを果たしたというニュースは、「セレモニーでオリジナル・ラインナップが再集結か!?」という大きな期待と相まってより一層ロック・ファンの注目を集めるトピックとなった。結局、土壇場でアクセル・ローズとイジー・ストラドリンが出演をキャンセル、このバンドらしいと言えばらしい残念な結果に多くのファンが肩透かしを食らったのはご周知の通り。しかしそれでも、スラッシュ、ダフ・マッケイガン、スティーヴン・アドラーの3人が約20年振りに同じステージに立ったという出来事は、それこそファンにしてみれば軽い“事件”だったのである。それから1年程経った‘13年3月、ダフ(vo, g)の率いるダフ・マッケイガンズ・ローデッドがスティーヴン(dr)のバンド:アドラーを帯同し来日公演を敢行した。振り返ってみれば、この2人がともに日本の地でプレイするというのは‘88年、ガンズ・アンド・ローゼズのワールド・ツアーで来日した以来の事になる。ともなると、前述した“ロックの殿堂”でのパフォーマンスとまでは言わないが、スペシャルな共演を期待せずにはいられない…。その辺を含め、2夜限定の初日となった3月7日公演の模様をお伝えしよう。

まず先陣を切ったのはアドラー。ステージを覆う垂れ幕にメンバーのシルエットが映し出される中、最新作『BACK FROM THE DEAD』(‘12年)の冒頭を飾る表題曲の怪しげなイントロが鳴り響きショウがスタート。幕が落ちると、ヴォーカルのジェイコブ・バントンが激しく客を煽る姿の後ろに、満点の笑みを浮かべながらタイトなドラミングを繰り出すスティーヴンの姿が確認出来る。ちなみに、ジェイコブは歌だけでなくギターでも魅せるアーティストで、中盤以降ギターを手に取るとロニー・ポール(g)のブルージーなフレージングに対し、「Another Version Of The Truth」等でシュラプネル系のシュレッド・ソロを展開してくれた。「Blown Away」が終わると、ここで舞台袖からダフが登場。「待ってました!」と言わんばかりに大勢の客が磁石に吸い付けられるように彼に近づこうと移動する。ベースをジョニー・マーティン(b)より譲り受けると、演奏されたのは「Sweet Child O’ Mine」だ。ダフとスティーヴンが揃いこの曲となれば盛り上がらないはずがない。この日1回目の共演を果たした後ダフは退場、「Habit」を以てアドラーのステージは終了した。

十数分間のインターヴァルを挟みローデッドがステージに登場。前半は主に新旧のオリジナル曲を散りばめた内容で、「Sick」「Dead Skin」「Your Name」といった楽曲に象徴されるパンキッシュで時にグランジ的な“暗さ”も垣間見えるリフ・ワークが冴え渡る。基本的にシンプルなプレイでまくしたてるのが彼らのスタイルだが、マイク・スクワイアズ(g)が時折挟み込むオブリやリード・フレーズのおかげで耳も飽きる事が無い。ガンズ時代よりライヴでは定番となっているカヴァー・ナンバー「Attitude」の途中、ダフがギターからベースに持ち帰ると、会場に言いようのない期待感が押し寄せてきた。「You’re Crazy」「Dust N’ Bones」とガンズ・ナンバーが続けざまに披露され、「彼はまだ出てこないのか!?」と焦燥感すら観客の間から感じられる中、スティーヴンが再びステージに登場。この日2度目となる共演の演目に選ばれたのは「It’s So Easy」だ。このイントロを聴けば自然とアドレナリンが溢れてしまう、そんな生理現象的とも言えるノリの良さでオーディエンスのテンションは終始沸点超え。スティーヴンが手厚くお礼を言い去っていくと、ローデッドはストゥージズのカヴァー「I Wanna Be Your Dog」でショウを締め括った。さあ、アンコールでは何を!?…と、ここで公演終了のアナウンスが。少々残念だが、両者合わせて30曲の大ヴォリュームなのだから贅沢を言ってはいけない。

カップリング・ツアーという事で、どうしてもダフとスティーヴンの“共演”という事実に目線がいってしまいがちだったが、今回のライヴでは各々が率いるバンドでやりたい音楽を示しきった、という点にも注目したい。特にスティーヴンは、“アドラーズ・アペタイト”というガンズに後ろ髪を引かれたようなバンドを解体、彼が1人のアーティストとして音楽を追求するバンドを結成し、新しい創造活動をしている事をリアルな形で見せつけてくれた。2人それぞれのオリジナリティが存分に堪能出来た事、それも今回のライヴで特筆すべき収穫なのであろう。

DUFF McKAGAN’S LOADED with special guest ADLER JAPAN TOUR 2013
2013.3.7 @渋谷duo music exchange

(ADLER SETLIST)
1 Back From The Dead
2 Own Worst Enemy
3 Good To Be Bad
4 The One That You Hated
5 Dead Wrong
6 Waterfall
7 Another Version Of The Truth
8 Blown Away
9 Sweet Child O’ Mine
10 Habit

(DUFF McKAGAN’S LOADED SETLIST)
1 Sick
2 Executioner’s Song
3 We Win
4 Sleaze Factory
5 Dead Skin
6 Dark Days
7 Seattlehead
8 Queen Joanasophia
9 New Rose
10 Lords Of Abaddon
11 Cocaine
12 Your Name
13 So Fine
14 You Can’t Put Your Arms Around A Memory
15 Patience
16 Attitude
17 You’re Crazy
18 Dust N’ Bones
19 It’s So Easy
20 I Wanna Be Your Dog