アレキシ・ライホ:チルドレン・オブ・ボドム 2001年『FOLLOW THE REAPER』インタビュー[期間限定]

アレキシ・ライホ:チルドレン・オブ・ボドム 2001年『FOLLOW THE REAPER』インタビュー[期間限定]

アレキシ・ライホ復刻記事第2弾は、ヤング・ギター2001年3月号に掲載されたチルドレン・オブ・ボドムの3rd『FOLLOW THE REAPER』リリース時のインタビュー。誌面は初のフル・カラーで展開され、バンドの名声を不動のものにすることとなった重要作にしっかりと迫った。

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※この記事は2021年8月までの期間限定で公開されます。
※インタビューの内容は、基本的に当時のヤング・ギター本誌に掲載されたものを復刻しています。

全く違うスタジオで、全く違うスタッフとやりたいと思った

YG:ニュー・アルバムの制作に取り掛かったのはいつ頃のことでしたか?

アレキシ・ライホ(以下AL):曲を書き始めたのは去年の3月からで、地元の所属レコード会社から、インターヴァルを埋めるために何かリリースした方がイイと言われたんで、まず、フィンランドでシングルの「Hate Me!」をリリースした。曲作りはそれから5ヵ月掛けたよ。

YG:今回もあなたが全曲を手掛けたのですか?

AL:そうだよ。基本的に総て書き下ろしで、「Mask Of Sanity」にのみ過去のアイデアが入ってる。1996年のデモ収録曲のリフを2つ持ってきたんだ。

YG:曲を仕上げていく段階では、他のメンバーの意見も取り入れていくんですよね?

AL:かなり…ね。俺が曲を書き、それをリハーサルに持っていくと、まずメンバーに何をどうプレイするかを説明する。それから各自のアイデアを曲に加えていくんだ。だから、完成した曲を聴くと、みんなの出したアイデアが沢山入っているよ。今回は、何故かデモを作らないで、全員にギターで弾いてみせて、それからかなり時間を掛けて曲を仕上げていった。少なくとも3ヵ月間、毎日5時間ぐらいはリハーサルに費やしたね。いつもは俺のアイデアをまずテープに録って、それをメンバーに聴いてもらうんだけど、今回は時間の都合もあってデモを作らなかったんだ。そういう意味では、これまでで最もバンドが一丸となってアレンジしていったアルバムと言えるかもしれない。

YG:他のメンバーの意見が最も取り入れられたアルバムでもあるのでしょうか?

AL:その点は以前からずっと同じだよ。どの曲も、俺の当初のアイデアとは全く違うモノに仕上がったしね。実はさ…俺自身としては、曲作りの段階でもの凄くプレッシャーを感じていたんだ。ファンのみんなを満足させる曲が書けるか、とっても心配だった。周りの連中からも、「前作の「HATEBREEDER』(1999年)を超えるアルバムが作れるのか?」とか、「まさか、『HATEBREEDER』のパート2を作る気じゃないだろうな?」なんて言われてたから、曲作りの時もそういったことが頭の中をぐるぐると駆け巡って、最初に書いた曲は、正直言ってどれも悲惨で…ロクな曲ができなかったんだよ。だから、とにかく自分の手駒を総てメンバーに見せて、彼らの意見を聞き、そこから改めて始めていった…という感じだったね。

YG:レコーディング・スタジオとプロデューサーを変えたのも、その辺のことと関係ありますか?

AL:最初の2枚のアルバムはフィンランドの同じところで録ったから、新鮮さを保つためにも、今回は全く違うスタジオで、全く違うスタッフと一緒にやりたいと思ったんだ。それに、前作と比べてもっとアグレッシヴで生々しいサウンドにしたかった。その点、今回使ったスウェーデンのアビス・スタジオは、 ディム・ボガーの『ENTHRONE DARK TRIUMPHANT』(1997年)とか、デストラクションの再結成作(『ALL HELL BREAKS LOOSE』/2000年)とか、アグレッシヴな作品が沢山録られているから、まさに俺達にうってつけだと思ったね。プロデューサーのピーター(テクトグレン)も、彼はヒポクリシーのシンガー(兼ギタリスト)ということで、色々とアイデアを出してくれたよ。特に、キーボードに関しては俺達がこれまで考えもつかなかったような凄くいいアイデアを出してくれてーーもしかしてテクノみたいな音作りになるんじゃないかとビビったりもしたけど(笑)、実際には曲によく合ったサウンドに仕上げてくれた。今回のアルバムの中に変わったキーボードの音色が入っていたら、それは全部ピーターのアイデアさ。

YG:機材面でも、ピーターからのアドヴァイスは何かありましたか?

AL:いや…機材はこれまでと同じだ。ギターはジャクソン1本しか使わなかったし、アンプも、『HATEBREEDER』やシナジーのアルバムの時と同じアンペグのリー・ジャクソン・プリ・アンプとロックトロンのパワー・アンプだけだった。エフェクトは、「Bodom After Midnight」でフランジャーを使ったくらいかな。

YG:アルバム全体のサウンドもこれまでの2作の延長線上だと思いましたが、いかがですか?

AL:うーん…『HATEBREEDER』よりストレートになって、プログレッシヴな要素が減ったとは思うけどね。勿論、複雑な部分もあるんだけど、決してそういうところに耳が行ってしまうことはなく、プログレッシヴさは曲の中に溶け込んでいる…といった感じかな。その方が多くの人にとって聴き易くてイイと思うんだ。まぁ、今でも他のほとんどのバンドよりは、ずっとヘヴィでアグレッシヴなんだろうけどさ…。

ギターとキーボードの組み立ては作曲の段階で俺の頭の中にある

YG:今回、ソロの配分はどうしましたか?

AL:前作の時と同じく、ソロは総て俺が弾いたよ。

YG:ツイン・リード・パートや、キーボードとのユニゾン、ハモり等、3つのメロディー楽器の組み立てはいつもどうやって考えているんですか? ここはキーボードを入れよう…とか、ここはツイン・ギターだけにしよう…とか、曲作りの時点で、どのパートがどんな音の組み合わせになるのか、頭の中には最初から聴こえているんですか?

AL:そうだね。各パートの絡みは、曲作りの段階で既に俺の頭の中にあるんだ。何とも説明しにくいけど、どこにギターを入れて、誰がハーモニーを弾くか…といったことはすぐに分かるのさ。ただ、あんまりギターを重ねないようには気をつけている。ハーモニーは大事だけど、ライウで再現できないのならレコーディングしたくないからね。

YG:そもそも、あなたにとって“ギター+キーボード”という組み合わせのアイデアの原点になったアーティストはいますか?

AL:ストラトヴァリウスだね。彼らのことは今も大好きさ。あと、今はもうあまり聴いていないけど、イングヴェイ・マルムスティーンからの影響もある。

YG:目標とする“ギター+キーボード”のコンビネーションの理想型というと?

AL:今の俺達のスタイルがそうさ。“ギター2本+キーボード”というアイデアは凄くウマくいくんだ。勿論、ギター2本でハモることもできて、キーボードがバッキングに徹する方がイイ時もある。まぁ、俺達のようなエクストリーム・メタル・バンドで、ギターとキーボードによるハーモニーを多用している例ってそんなにないと思うけど、だからこそ、楽曲に新しい味わいを出すことができると思うんだ。今となっては、ギターとキーボードによるメロディーのないチルドレン・オブ・ボドムなんて想像できないよ!

YG:例えば、イングヴェイと歴代キーボーディストの中では、誰との組み合わせが一番ですか?

AL:当然、イェンス・ヨハンソンが最高さ! 彼は今、ストラトヴァリウスでもプレイしているけど、本当に凄いと思うよ。

YG:ところで、ニュー・アルバムの先行シングルとなった「Hate Me!」は、フィンランドの国内シングル・チャートで1位になったそうですね? 

AL:そうなんだよ! 俺だってまさか自分達がチャートの1位になるなんて思ってもみなかったね。驚いたことに、フィンランドで俺達はメインストリーム・バンドと見なされているんだ。そもそも、国内チャートにHR/HMバンドがランク・インするようになったのは、ストラトヴァリウスの『VISIONS』(1997年)が大ヒットしたお陰だ。彼らこそ、フィンランド・メタル・シーンのゴッドファーザーさ! テクノやボーイズ・グループに「ざまあ見ろ。メタルでもこれだけできるんだ!!」って言えるのは嬉しいことだね。

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