アレキシ・ライホ:2008年『BLOODDRUNK』復刻インタビュー[期間限定]

アレキシ・ライホ:2008年『BLOODDRUNK』復刻インタビュー[期間限定]

『ARE YOU DEAD YET?』リリース後はワールド・ツアーに明け暮れ、その活動にさらなる勢いをつけたチルドレン・オブ・ボドム(COB)。6枚目となるスタジオ・アルバム『BLOODDRUNK』がリリースされたのは、前作から実に3年ぶりとなった2008年のことだ。

さらに暴虐性を増した強力な作品に迫るべく、YGは同年5月号にてアレキシを表紙巻頭で大特集。同時期には、それまでの彼のキャリアを総括したムック本『100%アレキシ・ライホ〜ミスター・リーパー:暴虐の美戦慄』も刊行された。

ここでは、本誌5月号に掲載されたロング・インタビューをお読みいただこう。取材が行なわれたのはアメリカのL.A.で、2008年1月のNAMMショウ開催期間中のこと。アレキシはESPのブースでイベントに出演するなど多忙にしていたが、快く取材に応じてくれた。

 

注意事項

※この記事は2021年8月までの期間限定で公開されます。
※インタビューの内容は、基本的に当時のヤング・ギター本誌に掲載されたものを復刻しています。

自然に湧き上がるものを受け止めるだけさ

アレキシ・ライホ2008年
Alexi Laiho
Anaheim California – NAMM show
1-19-08

YG:忙しそうですね。

アレキシ・ライホ(以下AL):その点に関しては、とにかくメチャメチャ(笑)。ここ8日間くらいは教則DVDをコネティカットだったか、そこで撮って、NAMMショウに来てから2日連続デモンストレーション、それからジョージ・リンチとセッションして…、もう大忙しだよ。でも、このインタビューが終わったら俺は自由だ(笑)。

YG:ESPブースでのデモンストレーションを観ましたが、ヤンネ(ウィルマン/key)と一緒に演っていた曲は何だったんですか?

AL:1曲目は新作の「Tie My Rope」をネタにした、それ風なデモ演。あの曲のイメージで、インプロヴァイズした感じかな。2曲目も同じ感じで、オムニバス作品『GUITAR HEROES』に収録された「Sioux City Sarsaparilla」という自分の曲が参考になってる。3曲目は誰が作ったか知らないけど(笑)、クールなバッキング・トラックだから使ってみたんだ。

YG:もう会場は見て廻りました?

AL:まだその時間がなくてさ。NAMMショウに来るのは3回目になるけど、以前はプレイしなかったから結構ブラブラしてさ…、いろんな人にも会えたんだけどね。今回は中々落ち着かないよ。

YG:ジョージ・リンチとのセッションは、ESP主催のロック・パーティーで…ですよね。

AL:ジョージの出番は俺とヤンネの前だったんだけど、始まる前、「最後の1曲、参加してくれると嬉しいんだけどな」って言うんだよね。俺は即「OK!」。軽く引き受けちゃったけど、実は演る曲も何も知らなくてさ(笑)。それでも最高だったよ。ジョージは凄くいい人だし、ギターも思いっ切り巧いもんな。

YG:結局、何の曲か分からずじまい?

AL:そう(笑)。ジャムという感じで、ソロをただ合わせて弾いただけ。Keyさえ分かれば弾けるから何も問題はないさ。

YG:ところで、去年1年間はチルドレン・オブ・ボドムの情報が日本にはあまり入って来ませんでしたが、どんな2007年でした?

AL:とにかくツアーしてたな。主にアメリカとヨーロッパでね。それがメイン。あとは新作の制作に取り掛かっていた。だからまぁ、日本のファンには静かな時期に映ったかもね。でも、バンドとして頑張っている事をみんなに知ってもらうため、常に何かしようとしてるつもりなんだ。『ARE YOU DEAD YET?』から3年ほど経ってしまっただろ? だから『CHAOS RIDDEN YEARS〜』を出したりして…。とにかく、今年は4月に新作をリリースした後、6月頃には日本公演を予定している。楽しみにしててよ。

YG:ちなみに、いろんな国でライヴした訳だけど、オーディエンスの反応、受ける曲、そういうものは土地土地でかなり異なるんでしょうね。

AL:ある意味では確かに。だからセットリストに関してはそれなりに考えるよ。例えば、アメリカではヘヴィな音楽があまりにも溢れているから、たまにメロディックな曲を演ったりすると新鮮に感じてもらえるみたい。もちろんCOBの場合は“それなりにヘヴィなメロディック”…だけど。ただし、“国”に特定のイメージを持って選曲してる訳じゃないんだ。単に、以前そこでプレイした時の反応を参考にしているだけ。

YG:その反応は、具体的にどう違うんでしょうか?

AL:アメリカで思いっ切りヘヴィな曲を演ればサークル・ピットがガンガン発生するし、日本やヨーロッパ南部でメロディックな曲を演れば大合唱が始まる。COBはヘヴィとメロディックの両面を兼ね備えているから、その違いがよく分かるんだ。

YG:さて、新作『BLOODDRUNK』の制作に入ったのはいつ頃でしたか?

AL:2007年の11月…だったかな。曲はその前から用意してたけどね。レコーディングは6週間、ミキシングは10日間程度だった。

YG:レコーディングの場所は?

AL:フィンランドにある“ペトラックス”というスタジオ。森に囲まれたデカいロッジなんだ。ヘルシンキの北にある森のド真ん中だから、人里離れた環境なんだけど、それがいいんだよね。集中出来るだろ? バンドのメンバー、それにプロデューサーとエンジニアだけで籠りっきり。だから上手く行ったんだと思う。

YG:アレキシはアルバム制作の際、取り立ててテーマを設けませんよね。今回も?

AL:各曲の歌詞に関連性を持たせるとか、そういう事はなかったね。作為的に方向性を意識する、事前に計画を練る、そういう事をあまり良しとしないバンドなんだよ、俺達は。正直に言うと、そういうのってバカバカしいと思うんだよね。「この作品はこの問題をテーマにして」とか「テンポは速めにしよう」とか…さ。それよりも「勘で行っちゃえ」って感じ。自然に湧き上がるものを受け止めるだけさ。今までずっとそのスタンスでやって来たよ。それでこそ音楽の純粋さは保てると思ってるから。もちろん、新しいものへの挑戦は常に怠らないけど、考え過ぎると逆に上手く行かなくなるよ。実は今回、デモさえ作ってないんだ。