アレキシ・ライホ:2011年『RELENTLESS, RECKLESS FOREVER』復刻インタビュー[期間限定]

アレキシ・ライホ:2011年『RELENTLESS, RECKLESS FOREVER』復刻インタビュー[期間限定]

ベーシックなメタル・リフだけに終始したくない

Alexi Laiho
Alexi Laiho 10.18.2009 at LOUD PARK 09, JAPAN

YG:では、収録曲の紹介を。オープニングの「Not My Funeral」は、さっき言ったような、ギターとベースとキーボードが巧みに絡む曲だけど、この種のキメのパートはドラムのリズム・アイデアがまたスリルをアップさせている訳ですよね。ドラムのアイデアはアレキシ?

AL:素はね。曲を書いている時、俺にはリズム面も含めたベーシックなアイデアがあって、そこから全員でアレンジに取り組んだ。この曲は様々なリフを組み合わせた良い例だね。その意味で、かなり上手く行ったと思っているよ。

YG:タイトル(funeral=葬儀)が物騒ですが、歌詞の内容は、さっき話していた“バッドなフィーリングの吐露”?

AL:その通り。人に何か嫌な攻撃をしたり、嫌がらせをしたりするヤツに、「そんな事を続けているとお前は早死にするぜ!」なんて中指を立てているような歌…という感じか(笑)。

YG:2曲目の「Shovel Knockout」。スタジオでは、ヴォーカル裏のリフもアレキシが弾いているんですよね。ライヴでは唄いながらだとキツいでしょう?

AL:唄いながらこのリフはかなり難しいね。他にも難しい曲があるけど…、やるしかないだろ! しっかり練習するしかないよ。やってみせる(笑)。

YG:ヤンネ・ウィルマン(key)のキーボード・ソロはよく練られた完成度ですが、どういうタイプのソロをしようという風に、2人で打ち合わせする事もあるんですか? そうでなくても、互いのプレイに感化されるという事はありますか?

AL:いや、どういうソロをプレイするかを事前に話し合う事はないな。ただ、通常は俺が最初に自分のパートを録るから、それを聴いたヤンネが参考にする事はあるだろうね。逆に、彼が先にソロを録っている場合は、俺もそれにインスパイアされたりするから。やっぱりどうしたって互いに影響し合うよ。いつもそうだね。そういうのって自然だし、かなりクールな事だと思うよ。

YG:次の「Roundtrip To Hell And Back」は、歌の合間に流れるギター・メロディーの豊富さも印象的でした。今回は作品全般でそれが顕著ですが、意識していました?

AL:よりメロディーをプレイしたかったかという質問? そうだったのかもね。無意識の内にそれはあったのかもしれないし、それを否定したら嘘になる。この曲に取り組んでいる頃、まだスローな曲をやっていなかったから、それをやりたいという欲求でこういう作りになったのかもしれないな。ちなみに、この曲は俺のお気に入りなんだ。

YG:「Pussyfoot Miss Suicide」は、速くなるサビの変拍子的リズムが複雑だけど、“6拍子”が絡んでいるのでしょうか?

AL:ああ、“4分の4拍子”が2小節あって、その後の2小節が“4分の6拍子”。それを繰り返しているんだ。ちょっとだけ凝ってみた(笑)。

YG:ソロ・パート直前のリフもダンサブルでノリノリですが、わざとスケール・アウトした音を使ってるよね?

AL:そうだね。少しオールドスクールと言おうか、昔のジューダス・プリースト風フィールかな…という感じでやってみた。そう…、これは’80年代っぽいメタル的なアプローチと言えるんじゃないかな。こういうものにトライしてみたかったんだ。昨今よく聴くようなベーシックなヘヴィ・メタルのリフばかりに終始したくはないし、音の選択に関しては可能な限り奇抜なものにしてみたくてね。もちろん、奇をてらっただけで終わるのは最悪だけど、少し刺激のある音を使い、かつ聴いていて面白いものを狙ったんだ。

YG:これって指板上のポジションの形から、視覚的に発想してるんですか?

AL:いや、基本のリフ・ラインをもっと興味深いものにしたくて、あちこちイジッてみたという感じ。今言った通り、ベーシックなヘヴィ・メタルのリフ・パターンから離れたものにしようと、試行錯誤して取り組んだ結果、クレイジーな音を入れるのが賢明だというところに落ち着いたんだ。

YG:次は「Relentless, Reckless Forever」。まず、この曲名をアルバム・タイトルに選んだ理由は?

AL:良い質問だ。でもどうしてかなあ(笑)。この曲がタイトル・トラックになるべきだと何故か俺には感じられた、ただ、それが何故なのかは分からない…という事だけは分かってるけど(笑)。

YG:ソロ・パートは、自由な音使いのアヴァンギャルドなフレーズからドッ速いタッピング…、これはタイトルの“無謀”(Reckless)を感じさせるものですよね。これが印象的で、この曲をアルバム・タイトルにしたのかなと思ったんですが。

AL:そうかもしれないな。辻褄はあってる。今言った通り、俺にはよく分からないけどね。特に考えてそうした訳ではないからさ。とにかく、この曲がタイトル曲であるべきだと感じただけ。ただ、確かにこの曲では“無謀”でクールなプレイが出来ているよ。俺とヤンネのハーモニー然り、それぞれの自由なプレイ然り、かなりクレイジーなプレイだね。

YG:「Ugly」のイントロは誰の声なんですか?

AL:この女性の声はテレビ番組から採ったものなんだ。曲の冒頭にフィットすると思ってね。以前、こういう事をよくやっていたんだよ。映画の1シーンから一部引用して、イントロやアウトロの効果として使ったり。『BLOODDRUNK』では全くそういう事をしていなかったから、またやってみようって事で。

YG:「Ugly」は「Shovel Knockout」以上に唄う事とギターを弾く事の両立が難しいですよね。前作では、変拍子がある「Lobodomy」が一番の強敵だと話していましたが、この曲はそれを上回るのでしょうか?

AL:苦労する曲かもしれないな。でも、さっき言った通り、俺はやってみせるよ。何事も練習すればいいだけの事だ。

YG:ライヴではローペ(ラトヴァラ/g)の出番なのでは?

AL:それもアリだろうけど、でも俺は自分でやると思う。

YG:なるほど完璧主義者!

AL:ホント、音楽に関してはそういうタチなんだよ(苦笑)。マジになってしまって妥協出来ない。これはどうしようもない性分だね。

YG:ヴォーカルの裏でキラキラした音のキーボードがギターのリフとユニゾンになっているけど、これはゾッとしますね! その感じが狙い?

AL:毛色の違ったフィーリングが醸し出されているだろ? サーカス風の独特な世界、不思議でクレイジーなサウンドと言おうか…。最初にこのパートを演奏した時、邪悪で悪魔的で道化師っぽいイメージが浮かんだよ。やっぱり君達もそういう風に感じたんだ!? ホラー映画みたいなノリがあるよね。