アレキシ・ライホ:2019年『HEXED』復刻インタビュー[期間限定]

アレキシ・ライホ:2019年『HEXED』復刻インタビュー[期間限定]

ファンのみんなに無理やり好きになってもらおうとしたわけ

YG:「Relapse (The Nature Of My Crime)」は、3rdアルバム『FOLLOW THE REAPER』のタイトル曲に似たヴァイブが感じられる曲ですね。COBもいつの間にかデビューから22年も経っていますし、たまにルーツに戻ってみたい…という感覚があるのですか?

AL:意図したわけじゃないけど、そう思われてもおかしくはない。この曲はトリッキーなギター・リフを上手く目立たせたかったんだ。ロックンロールっぽいのに同時に超ヘヴィだから、「Follow The Reaper」のヴァイブが感じられるのさ。俺的にあれは、ロックンロールとエクストリーム・メタルのミックスを表現した曲だったからね。だから「Relapse (The Nature Of My Crime)」は、3rdアルバムに入っていてもおかしくない。

YG:このぐらいのテンポ感のリフだと、アレキシはダウン・ピッキングで通します? ライヴで弾き通すのは、これもなかなか体力が要りますよね?

AL:両方使っているかな。主にダウン・ピッキングで、コードの部分だけアップ・ピッキングを使うんだ。そうすると切れ味のあるサウンドになるからね。でもそれ以外はすべてダウン。その方が響きが良くなるからさ。ヴァースの後のキーボードが入って来るリフは、すべてダウンだよ。

YG:「Say Never Look Back」はとてもキャッチーなメロディーがあふれている曲ですが、細かいパーツが多いので、上手く流れるよう構築して行くのはものすごく大変だったのでは?

AL:ああ、まさしくそうだった。俺、さっき間違ったことを言ったな。一番大変だったのは「Platitudes〜」じゃなくてこっちの方だ。もう駄目じゃないかと思ったくらいさ(笑)。この曲に取り組むのを途中でやめて、別の曲を書き、それからまたこの厄介な曲に戻って…ってことが何度もあった。実は最初に作り始めたんだけど、完成したのは最後。おかしいよな! リフをいくら書き進めて行っても、どうにも意味を成さなかったんだ。あまりにもヘンテコかつプログレッシヴだったんでね。でもコーラスのメロディーが超キャッチーだったから、そこを取っ掛かりにすることで最後は上手く行ったよ。

YG:左右のギターが弾いている異なるフレーズが、この曲では特に巧みに絡み合っていると思います。こういうアンサンブルは、基本的にアレキシが1人で構築するのでしょうか? ダニエルのアイデアも含まれています?

AL:いい感想だね。あれはすべて俺のアイデアだ。ダニエルも色々と考えてはくれるけど、彼はちょっとしたギター・リックをそこここに入れるという感じ。曲そのものの構成よりも、味付けに関わっているよ。でも彼は積極的に色々と提案してくれるから、そこがいいんだ。すごく助かってる。

YG:「Soon Departed」。こういう重厚でスローな曲も、COBらしさの1つですよね。

AL:俺達がスローでヘヴィなナンバーをやるのは珍しいことじゃないけど、でもこの曲は全編に渡ってとても陰鬱なヴァイブがあって、そこが特別だよね。絶望にあふれているというかさ。一体何に影響されたのかは分からないけど、こういうのが出来てしまったんだ。細かくてクールなパートもたくさんあって、例えばベース・ラインやコーラスを聴いてみてほしいな。ヘッドフォンを使えば、細部で何が起こっているか分かりやすいと思うよ。ちなみに今作の中で俺のお気に入りのギター・ソロを挙げるとすれば、この曲になるな。フィーリングが最高なんだ。ソロってのはこうあるべきだ!って感じ。オリジナリティにあふれているわけじゃないけど、典型的なファスト・ペンタトニックで、個人的にイチオシだよ。

YG:「Knuckleduster」はミニ・アルバム『TRASHED, LOST & STRUNGOUT』(2004年)に収録されていた曲のリメイク。

AL:この曲を録り直すというアイデアを伝えたら、みんな乗ってくれてね。最初に出した時は見過ごされていたというか、他の曲と比べて影が薄かった。浴びるに相応しい注目が得られなかった…って、ずっと感じていたんだ。だからいっそレコーディングし直して、ファンのみんなに無理矢理好きになってもらおうとしたわけ(笑)。ただ困ったのは、コーラスの部分以外、どんな歌詞だったかを俺自身が忘れてしまっていたこと。当時何にも書き残しておかなかったんで、オリジナルを聴き直してみたんだけど…、自分が何を言っているのか分からなかった。だから新しく書き直す必要があったんだ。オリジナルと同じような響きにするよう心掛けてね。そんなややこしいこともあったけど、何とかやり遂げたよ。今度はちゃんと書き残しておいたんで、ブックレットにも載るぜ(笑)。我ながら、このニュー・ヴァージョンは超クールだよ。オリジナルとめちゃくちゃ違っているわけではないけど、チューニングが半音下がったことで、もう少しだけヘヴィになっている。みんな気に入ってくれるといいな。でなかったらまたレコーディングし直してやる!(笑)

YG:歌詞と言えば、アレキシは韻を踏むのが得意ですよね。

AL:頑張ってるよ。かなり気合いを入れて力を注いでいる。特にこの10年間は、出来るだけ練り込むようにしているんだ。ヴォーカルを録る時も、もっとハッキリと発音するようにしている。俺の言いたいことがよく伝わるようにね。この歌い方だとなかなか分かりにくいから、ある程度の技術が必要で、習得するまでにしばらく時間が掛かった。もっと上手くなれるとは思うけど、今も以前よりは間違いなく良くなっているよ。今回のアルバムは目の前に歌詞カードがなくても、聴けば少なくとも俺が言っていることは分かる。以前はそうじゃなかったけどね(笑)。

YG:では最後に、今回のレコーディングで使用した機材を教えてください。

AL:いつもと同じ機材さ。というか、ちょっとは違うものも試してみたんだよ、特にギター関係はね。具体的にはマーシャルのヘッドを使いたいと思っていたんだけど、結果的にはいつもと同じ、リー・ジャクソンのプリアンプとVHTのパワーアンプという組み合わせになった。ああ、そういえばいくつかのパートで、レスポール・シェイプのESP“Eclipse”を使ったな。それ以外はかなりシンプルだったよ。今回のアルバムの内容と同じさ。

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2019年発表

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