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ニック・ジョンストン『ATOMIC GUITAR』Vol.1

第13回:ニック式上昇フレーズ・パターン

「僕は左利きなんで、動きの鈍い方の手でピッキングしているわけ。だから、右手にはもっと何か助けが必要だった」と言うように、元々は自身の弱点を補うために取り組み始めたニックのハイブリッド・ピッキング。…が、それが弱点を補うどころか自身のスタイルの大きな特徴になっているのが、ニック'sプレイの興味深いところでもある。今回紹介するリックも、まさにそんな一例だ。では、いつものようにニックの言葉から。

Nick’s Comment

このリックは、いわゆる3ノート・パー・ストリングのポジションを使わずに行なえる上昇フレーズのクールな一例だ。このコラムを通して、僕はハイブリッド・ピッキングと自分の弱点であるオルタネイト・ピッキングについて色々と話をしてきたけど、これはまさにこの2点をダイレクトに組み合わせて解決してくれるリックなんだ。ある特定のテクニックに対して自らの限界に挑戦していると、ユニークなラインやアイデアが出てきやすいってことが僕にはよくあるんだよ。このリックも、ハイブリッド・ピッキングに取り組み始めた頃に思いついたものなんだ。ゲインを少なめにした状態で、音がちゃんと際立って聴こえるように弾いてみてほしい。頑張ってくれ!

Ex-1のリックは、1小節目前半と2小節目前半のオクターヴ違いのメロディーを主に考えると覚えやすいだろう。図1の枠で囲った部分がオクターヴ違いのポジションとなっているので確認しておこう。“上昇フレーズ”ということで言えば、1小節目1〜3拍のポジションに注目したい。[6弦=1音、5弦=3音、4弦=1音、3弦=3音、2弦=1音]という形になっているのが分かるはずだ。“3音”は連続ハンマリング。ピッキングはピックと中指が交互、という基本を押さえておけば、他のスケールにも応用できるだろう。Ex-2は、タッピング後の下降フレーズに注意。4弦9f、5弦9f、6弦10fをピッキングせずに左手TAPで発音するのがニック流だ。

Ex-1 ハイブリッド・ピッキングによるオクターヴ・リック 1

●1小節目2〜3拍の[4弦4f→3弦4f]は人差指のジョイントで。極力、2音が重なってしまわないように気をつけたい。

Ex-1 ハイブリッド・ピッキングによるオクターヴ・リック 1

Ex-2 ハイブリッド・ピッキングによるオクターヴ・リック 2

●2小節目の[2弦7f→1弦7f→2弦7f]、2〜3小節目の[2弦10f→1弦10f→2弦10f]は、ジョイント・フィンガリングとハイブリッド・ピッキングの良いトレーニングになるはずだ。

Ex-2 ハイブリッド・ピッキングによるオクターヴ・リック 2

図1■オクターヴ違いのポジション

図1

プロフィール

Nick Johnston

ニック・ジョンストンはカナダ出身のギタリスト。フル・シュレッドから繊細なニュアンスまで網羅する卓越した演奏テクニックと抜群のメロディー・センスで動画サイトなどを中心に話題を集め、2011年の『PUBLIC DISPLAY OF INFECTION』をはじめ、4作のオール・インスト・ソロ作品を発表した後、2016年9月発売の『REMARKABLY HUMAN』で正式に日本デビューを果たした。本作には、ガスリー・ゴーヴァンやポール・ギルバートがゲスト・ソロを弾いた楽曲もボーナス・トラックとして収録。2017年2月にはアニマルズ・アズ・リーダーズのツアーに帯同して初来日を果たした。ライヴやギター・クリニックを行なうなど、国内でのさらなる活躍が期待されている急進中のロック・ギタリストだ。

インフォメーション

公式ウェブサイト:www.nickjohnstonmusic.com
フェイスブック:www.facebook.com/NickjohnstonOfficial

最新リリース情報

NICK JOHNSTON - WIDE EYES IN THE DARK

『WIDE EYES IN THE DARK』/Nick Johnston

輸入盤|CD|2019年4月19日発売