ノルウェー随一のメタル・フェス“TONS OF ROCK”の全貌を主催者インタビューと共に紹介!

ノルウェー随一のメタル・フェス“TONS OF ROCK”の全貌を主催者インタビューと共に紹介!

間もなくやってくる夏フェスのシーズン。毎年、この暑くて熱い季節の到来を心待ちにしている人は少なくないハズ。日本ではなかなか観られないバンドやアーティストを目当てに、海外まで出掛けて行くという人もいるだろう。ヨーロッパで、アメリカで、そして勿論、日本でも──今年もまた、各地で大いなる熱狂が繰り広げられる…!

ヤング・ギター本誌でもこの夏、国内外問わず幾つかのフェスティヴァルを取材する予定。そんな中から、北欧はノルウェーの“TONS OF ROCK”をここに紹介したい。まだ日本での知名度は低いかもしれないが、ヘッドライナーとして、ブラック・サバスアリス・クーパーメガデスを揃えた“TONS OF ROCK”が、多くのメタル/ロック・ファンにとって垂涎なのは言うまでもないだろう。そこで今回、主催スタッフにインタビューを行ない、3日間に亘るこの野外イヴェントについての基本的な情報、また今年の見所などをガッツリ語ってもらった。取材に応じてくれたのは、フェスのブッキング担当チーフであり、地元ノルウェーのバンド:VREIDのベーシストでもあるヤルレ・クヴォーレ氏。VREIDで2度の来日経験がある彼は、日本からも多くのオーディエンスが“TONS OF ROCK”に来場するのを楽しみにしているとのことだ…!!

ブラック・サバスのノルウェー最後のショウがこのフェスで行なわれるなんて、ホントに素晴らしいね

YG:まずは、“TONS OF ROCK”フェスの歴史から教えてください。
ヤルレ・クヴォーレ(以下JK):“TONS OF ROCK”がスタートしたのは’14年のことだ。ノルウェーでは様々なジャンルのフェスが開催されているが、メタルやロックに特化した野外イヴェントはそれまでなくてね。それで、400年前に(ノルウェー南部のハルデンに)築かれた砦跡で“TONS OF ROCK”を始めることにしたのさ。

YG:そのフレドリクステン要塞は歴史的な場所だそうですね?
JK:ああ。そして、メタル・フェスにもうってつけの場所だ。もう“ここしかない”というぐらいにね。世界有数のフェス会場だと言っても過言ではないよ。

フレドリクステン要塞とは

“TONS OF ROCK”が行なわれるフレドリクステン要塞は、1661年、スウェーデンとの国境防衛のため、ノルウェー南部のハルデンに築かれた。その敷地面積は60万平方メートル(約150エーカー)。スウェーデンと北方同盟(ノルウェー、デンマーク、ロシアなど)が戦った大北方戦争(1700-1721)の舞台ともなり、1718年、スウェーデン国王カール12世が銃弾に斃れた地としても知られている。

要塞としての役目を終えた1905年以降、陸軍士官学校や参謀本部などが置かれてきたが、2005年に閉鎖。現在、その砦跡は重要文化財として、また観光地としても人気で、様々な野外イヴェントの開催地ともなっている。

YG:“TONS OF ROCK”のコンセプトとは? 他のフェスとはどんなところが違いますか?
JK:ノルウェーで唯一のロック/メタルに特化したオープン・エア・フェスティヴァルであり、ストレートなロックンロールからエクストリームなブラック・メタルまで、幅広いアーティストが出演することだな。

YG:会場内にステージは幾つありますか?
JK:3つだ。メイン・ステージ(Fort West)とテント・ステージ、それから小規模な野外ステージ(Huth Stage)がある。最大で1日9千人のオーディエンスを迎えることが出来て、今年は3日間で2万人を超える動員を見込んでいる。

YG:過去にはどんなバンド/アーティストが出演したのでしょう?
JK:主だったところを挙げると、スレイヤー、トゥイステッド・シスター、ヴォルビート、テスタメント、セパルトゥラ、メイヘム、イン・フレイムス、アンスラックス、ターボネグロ、クヴァラータク…などだね。

YG:その中でハイライトとなったバンド/アーティストというと?
JK:個人的には、’14年の第1回“TONS OF ROCK”でヘッドライナーを務めたスレイヤーだな。ガキの頃に憧れたバンドだから、特別な感慨があったよ。

YG:フェス会場には、ライヴ以外にも楽しめるところがありますか?
JK:フード・スタンドやバー、マーチャンダイズは勿論のこと、タトゥー・ショップなんかもあって、他にも色々と楽しめるよ。フェスティヴァル・エリアのすぐ外には、広大なキャンプ場も用意されているしね。

YG:フェス観戦にオススメのお酒といえば? 
JK:みんなビールをしこたま飲んでいるよ。ロックンロールとビールって最強のコンボだからな! あと、メシも充実しているから、何でも好きなモノが食べられる。

YG:今年の見所を教えてください。ヘッドライナー3組は勿論ですが、他に「これは観逃せない!」というバンドがあれば教えてください。
JK:今年のヘッドライナーは最高だ。中でも、ブラック・サバスのノルウェーにおける最後のショウが、このフェスで行なわれるなんてホントに素晴らしいね! 他にも凄いバンドが沢山ラインナップされている。ゴーストは必見だし、MGŁAはブラック・メタル・シーンにおける注目株のひとつだし、『THE SATANIST』(’14年)の完全再現を行なうベヒーモスも観逃せない。あと、多くの観客がニッキー・シックスとSIXX:AMを観たいと思っているんじゃないかな?

YG:出演ラインナップの中には、新人や未契約バンド、かなりアンダーグラウンドなバンドも含まれています。日本からもエセリアル・シンが出演しますが、その中で特に注目すべきバンドというと?
JK:沢山いるよ。新人や無名のバンドを見つけてきて、大観衆の前でプレイさせることは、フェスの運営に関わる者として、非常にモチヴェーションが高まる。日本からこの北欧へエセリアル・シンを呼べるのも嬉しいね。それから、NEKROMANTHEONHEDVIG MOLLESTAD TRIORED HARVESTBELOWMORKといったバンドも、自信を持って紹介しておきたい。

YG:“TONS OF ROCK”のチケットは、日本からも買うことが出来ますか? 
JK:勿論さ! このフェスには、30を超える国々からオーディエンスが来場するんだ。今年は日本からも沢山のメタルヘッズがやって来てくれるとイイんだけど。チケットはオフィシャル・サイトの英語ページ(http://tonsofrock.no/eng/)から購入可能だよ(※)。

YG:では最後に、日本から“TONS OF ROCK”フェスに参戦しようと思っている日本のHR/HMファンに一言お願いします。
JK:フレドリクステン要塞を楽しみ尽くそう! とても素晴らしいところだから、沢山の思い出作りが出来るハズさ。現地ではオーディエンスにどんどん話し掛けて、新しい友達もいっぱい作って欲しいね。ノルウェーで最高の時間を過ごしてくれよな。待ってるぜ!!

ヤルレ・クヴォーレ(VREID)
ヤルレ・クヴォーレ(VREID)

TONS OF ROCK 概要

日程:2016年6月23日〜25日
会場:ハルデン(ノルウェー)
主な出演バンド:ブラック・サバス、アリス・クーパー、メガデス他


イベント公式サイト:Tons of rock 2016
英語版:http://tonsofrock.no/eng/

※チケットは3日通し券、1日券、2日券の3種類があり、6月1日現在で、1日券のうちフェス初日(6月22日)分は完売。尚、2日券は6月23&24日分となるのでご注意を。