アーティスト名 | SONATA ARCTICA ソナタ・アークティカ |
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アルバム名 | STONES GROW HER NAME ストーンズ・グロウ・ハー・ネーム |
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5thアルバム『UNIA』(’07年)で確立した“新ソナタ流”とも言えるスマートなメロディック・メタルの装いは、通算7作目となる本作でも健在。シンフォニックな要素が目立った前作『THE DAYS OF GRAYS』(’09年)と比較すると幾分シンプルに楽曲の骨格を研ぎ澄ます手法を採っており、楽曲を引っ張るトニー・カッコの歌う独特のメロディーに対するこだわりが更に強く感じ取れる作風となっている。’07年に加入し、作品としては前作に続いて2作目の参加となるギタリスト:エリアス・ヴィルヤネンも、持ち前の透明感溢れる技巧プレイを武器に楽曲を見事に引き立て、すっかりバンドに馴染んでいるようだ。
ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの普遍的な魅力を放つクリアな楽曲が並ぶ中で異質の光を放っているのが、本編ラストに配された⑩⑪の2曲。4thアルバム『RECKONING NIGHT』(’04年)収録曲「Wildfire」の続編となるこの2曲はなんとそれぞれ約8分にも及ぶ大曲で、構成/内容の双方から滲み出るその実験的な姿勢は、今後のソナタ・アークティカの方向性を占っているとも言えるだろう。アリ・コイヴネンの作品に提供した楽曲の“本来の姿”とも言えるセルフ・カヴァー③、そして初期の楽曲に通じるスピーディーな魅力を封じ込めた佳曲となった日本盤ボーナス・トラック⑫も聴き所。
(羽田幸一)