9 Gates For Bipolar／OBLIVION DUST

約４年ぶりとなる新作は、“９つの独立した世界”がコンセプト。タイトル通り、１曲１曲にしっかりとした表情とメリハリがあるため、どこから聴いても没入できる。バンドのスケールの大きさは変わらず、聴いた瞬間に心を掴むKEN LLOYD（vo）のメロディー・ラインは本作でも健在。ラウドなロックでのシャウトも捨て難いが、個人的には艶を感じさせるミディアムの「All I Need」「Baby, It’s All Good」に聴き惚れた。K.A.Zのギター・ワークはファンキーなリフ、デジタル・ロック風リフ、ドラマティックで繊細なアルペジオなど、どれを取っても今の時代を意識した新しさが光る。センスの良さが表れた好作。
（小口正貴）