LEX HIVES／THE HIVES

ほぼ４年半振りとなる通算５作目のフル・アルバム。目玉のレジデンツよろしく黒の燕尾服にシルクハットというコスチュームに衣替えをし、音楽も変化？と思って聴いてみたが、驚くほど変わっていなかった。キレの良いガレージ・ロックが「これでもか！」と繰り出される。あえて簡単な英語を繋ぎ合わせた明快な歌詞も相変わらずで、１曲目などほとんど「カモン！」（曲名は「Come On!」）で押し切る強引さ。シリアスになり過ぎることなく、どこかでロックンロールを戯画化しているようなユーモア精神が彼らの真骨頂である。前しか向いていない、MC5や’70年代パンクのような鋭いカッティング・ギターが潔い。
（小口正貴）