MURDERED LOVE／P.O.D.

米サンディエゴを拠点にするヘヴィ・バンドの、’08年以来となる新作で通算８作目。ニューメタル世代のバンドならではの直球ヘヴィ・ロックもあれば、ファンクやヒップホップのリズムの変化球も飛び交うし、中にはパンク×ヒップホップ×レゲエの軽快なポップ・チューンも…といった多彩な作風だが、その多彩さの中に売れ線狙いの歌ものヘヴィ・ロックみたいな曲が含まれていないのは好印象。多彩な作風にマッチしたギター・プレイ／トーンの充実ぶりが、作品の完成度を大きく引き上げているのも見逃せない。個人的にはフィッシュボーンの後継者的な印象を受けたが、ミクスチャー好きは是非。
（菅原健太）