SATAN’S ROCK’N’ROLL／CHAPEL

カナダはヴァンクーヴァー出身の、激烈トリオのデビュー作。ブラック／デス、スラッシュ、パンク、ロックンロール…すべての“うるせぇロック”を貪欲に飲み込んで荒々しく爆走する轟音は、モーターヘッドやヴェノムをルーツに持つ悪辣な勢いに染まっている。各所で本作を語る際によく用いられている“サタニック・スピード・メタル”や“ブラックン・ロール”という表現はまさにドンピシャだ。破天荒なスピード感に酔う中で、意外に練られたリフやメロディックなソロ・ワークが絶妙なグルーヴをウネらせているのも高ポイント。すべての常識を原始的エネルギーで破壊しながら一気に駆け抜ける10曲32分強。痛快！
（羽田幸一）