アーティスト名 | ERIC CLAPTON エリック・クラプトン |
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アルバム名 | OLD SOCK オールド・ソック |
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自らの新レーベルから、配給レコード会社を変更して突如リリースされる21枚目のスタジオ・アルバム。子供の頃から現在に至るまでの自身のお気に入りナンバーを集めた内容のため、2曲(「Gotta Get Over」「Your One And Only Man」)以外はすべてカヴァーだ。それも歌ものを中心に集めた印象で、過去にさんざん取り上げてきたオーセンティックなブルース・ナンバーはあえて外してあるようだ。
曲調は多彩だが、レゲエ・リズムの多用と近年の十八番ともなってきたスタンダード系ナンバーがやや目立つか。ゲイリー・ムーアの「Still Got The Blues」も、ライヴで披露していたアンプラグドでのスタンダード・ナンバー的なアレンジとなっており、歌メロの良さが際立っている。加えて、スティーヴ・ウィンウッドによるハモンド・オルガンでのプレイがいぶし銀の輝きを放っており、最後には我慢し切れなかったかのようにクラプトンのブルージーなエレキ・ソロも入る。オリジナル新曲の1つ「Gotta Get Over」はチャカ・カーンがバック・ヴォーカルとして参加したファンキーなロック・ナンバーで、非常に出来が良い。こういう方向性でアルバム1枚を作ってほしいとすら思う。
今さらギター・ソロのあの部分がどうだこうだという人でもないのだが、何曲かでのフレーズの中に『LAYLA〜』(’70年)時代のプレイを彷彿とさせる匂いがあったということも特筆しておきたい。
(細川真平)