アーティスト名 | DEEP PURPLE ディープ・パープル |
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アルバム名 | NOW WHAT?! ナウ・ホワット?! |
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デビュー45周年を迎えたディープ・パープルが約8年ぶり、通算19枚目のスタジオ・アルバムを完成させた。’94年にバンドに加入したスティーヴ・モーズ(g)は、今となっては在籍期間ではリッチー・ブラックモアを超えており、彼が参加した過去4枚のスタジオ・アルバムを聴けば、もはやリッチー時代のディープ・パープルとは目指す方向が異なることは明白だ。しかし、アルバムが出る度に’70年代っぽい曲が入っているのかと淡い期待を抱いてしまうのがファン心理だと思うが、結論から言うと今作にも当時のようなギター・リフでグイグイ引っ張るような曲はなく、イアン・ギランの歌とバンドの表現力を前面に押し出した大人のアルバムに仕上がっている。
収録されている楽曲は重厚な叙情派ハード・ロック・ナンバーから、中近東風の旋律を取り入れた曲、ファンキーなナンバー、快活なポップ・チューンなど、ヴァラエティに富む中、スティーヴは各曲で存在感抜群の洗練されたギター・ソロを披露。「Hell To Pay」や「Vincent Price」でのアドリブ的なフレーズと構築したフレーズを織り交ぜた長いソロは彼ならではのもので、「Uncommon Man」の前半部分ではシンセサイザーをバックにフリー・スタイルのソロも聴ける。どの曲も親しみやすいメロディーと楽器隊のアンサンブルも聴き所となっており、聴けば聴くほど良さが分かるような作品だと言える。
(Jun Kawai)