アーティスト名 | JOE SATRIANI ジョー・サトリアーニ |
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アルバム名 | UNSTOPPABLE MOMENTUM アンストッパブル・モメンタム |
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過去、自分のソロ・アルバムには[ブルース][モダン・テクノ][ポジティヴ・ロック][豊かな曲調でのギター表現][CDに欠けているダイナミクスを出す]等々のテーマを設けて視線の先を明瞭化してきたジョー・サトリアーニ。第14作目になる本作品は、取材前なのでメッタなことは言えないが、楽曲自体のキャッチーな仕上がりが心地よい。そこには力を入れている気がするが…。違う見方をすれば、マイク・ケネリー(key)、ヴィニー・カリウタ(dr)、クリス・チェイニー(b)という参加メンバーとの繋がりが深いのか、バンド然としているとも言える。
アレンジがいちいち凝っている点がそう思わせる要因だが、曲調も実に様々だ。要素で言えば、テンションを効かせた変則リズム、フュージョン風の軽快な曲調、ホーンでの軽妙さ、彼十八番の疾走感とメジャー感、そして超絶技巧など、アルバム中で実に多彩な演出が聴ける。そんな中、個人的にグッと来たのは静かな小曲「I’ll Put A Stone On Your Cairn」。少し前、スティーヴ・ヴァイがサスティナー類を使って近いムードのことをやっていたが、この繊細な演奏は「ギターって良いなあ」と思わせる、そんな力…派手なテクニックを忘れさせてしまうほどの魅力に溢れている。もちろん、作品中に張り巡らされたサトリアーニ節全開のアグレッシヴなインプロヴァイズも、もれなく聴き所だが…。
(福田真己)