アーティスト名 | BLACK SABBATH ブラック・サバス |
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アルバム名 | 13 13 |
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『NEVER SAY DIE!』(’78年)以来となるオリジナル4名による新作…のはずだった今作は、ビル・ウォード(dr)の脱退によりサポートを起用して完成を見たが、その内容はバンドに“求められていること”を優先させた格好だ。デビューから『VOL.4』(’72年)辺りまでの黄金期を再確認した作風で、’70年代サバスの終焉後にオジー・オズボーン(vo)、トニー・アイオミ(g)、ギーザー・バトラー(b)が歩んできた道には見当たらなかったブルージーさが呼び戻されたドゥーム・アルバムとなった。ビルがいつ復帰してもいいようにという配慮からか、手数足数を控えめに力強くまとめたブラッド・ウィルク(dr/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)の働きぶりも良いし、1音1音を噛み締めるようなスローなギター・ソロも味わい深いが、彼らの長いキャリアを考えた時、ここに提示された音に疑問を挟む余地がないわけではない。
ただし、発表されたのがアルバム本編だけだったならば…だ。デラックス盤ボーナス・ディスク収録の3曲が鮮烈で、ソングライティングにもパフォーマンスにも本領が発揮されている。特にスピード感とアグレッションの緊迫感が凄まじい「Methademic」は必殺で、残り2曲からもシーンを“現役”で生き抜いてきた彼らの矜持が大いに伝わるが、“やりたいこと”を最優先させた次作を是非聴いてみたい。
(菅原健太)