脅威のテクニックを持ちつつも耳に残るメロディー・ラインを奏で、技術と芸術の両方に秀でた音楽センスでギター・マニアの耳を捉え続けてきたイギリスの技巧派フュージョン・ギタリスト、アレックス・ハッチングス。YoutubeやJamtrackcentralなどのオンライン・メディア、また楽器イベントにおけるローランド製品のデモンストレーションなどを中心にその名を知らしめ、人気を集めてきた彼が、去る2013年12月14日、レイニーのギター・アンプ“IRT-Studio”のデモンストレーションを兼ねた招待制のイベントが開催された。その模様を動画や写真を含めてレポートしよう。
この日は、”IRT-Studio”に搭載された3つのチャンネル…クリーン、リズム、リードの3種類をフットスイッチで切り替えながら使用。ブースト・スイッチをオンにした時も含め、それぞれのサウンドの特徴をアレックスが説明した後、デモ曲に織り交ぜての実演が行なわれる。演奏は冒頭からテクニカル度満載で、目をつぶったまま縦横無尽に指を動かし、スピーディーなインプロヴィゼーションを繰り広げるその姿に、早くも会場の目は釘付け。バック・トラックも打ち込みではなく、本イベントの為にバンドを集めてレコーディングしたものが使われており、実際のジャム風景を彷彿とさせる臨場感を作り出していた。
参加者がアレックスに自由に質問できるトーク・セッションも幾度か行なわれ、アレックス固有の奏法の肝となる4度チューニング、高速プレイを可能にするエコノミー・ピッキング、サキソフォンを吹いていた時代に影響を受けたケニー・G、シグネチュア・ギター、ジャズやフュージョン及び音楽全般からの影響など、様々な話題が投げかけられた。アレックスは日本語を交えながら、時にはミュージシャンとしての信条に触れるような掘り下げた内容まで、気さくかつ丁寧に応えていた。
後半のデモ曲はバラード系が多く、美しいメロディーとサウンドで聴く者を魅了する。7曲目となる最後は、再びキメの多いフュージョン系ナンバーで締め。演奏終了後にはアレックスと参加者が歓談しながらのサイン会が行なわれ、イベントは盛況のうちに散会した。
参加者からの質問にもあったが、長年多岐にわたるプロ活動を続けてきたキャリアを持つわりに、いまだアルバムという形で音源が発表されていないアレックス。本人もそのあたりは重々承知で、1stアルバムであるからには準備を万全に整え、真剣に取り組みたいと話している場面が今回の映像にも残されている。次回は是非、ソロ作のリリースに伴った来日公演を行なって欲しいものだ。
なお、当日のイベント開催前に、YGは付録DVD用の奏法映像の撮影に成功している。こちらは近いうちに本誌に収録及び掲載される予定なので、是非お見逃しなく!
Special Thanks – Alex Hutchings, Laney, SOUND HOUSE
アレックス・ハッチングス イベント写真
アレックス・ハッチングス イベント映像
映像1(ソング1)
映像2(ソング2)
映像3(トーク1)
映像4(ソング3)
映像5(ソング4)
映像6(トーク2)
映像7(ソング5)
映像8(トーク3&ソング6)
映像9(トーク4)
映像10(ソング7)