LORDS OF BLACK II／ローズ・オブ・ブラック

復活レインボーのシンガーに指名され、今や注目の的のロニー・ロメロ。彼が率いるスパニッシュ・メタル・バンドの２作目が、絶妙の時期に登場だ。ロメロの声質・節回しのＲ・Ｊ・ディオっぽさについてはもはやリッチー公認といえようが、こちらのバンドはむしろディオの系譜を思わせる勇壮豪快路線。前作から２作続きでローランド・グラポウ制作指揮の下、トニー・ヘルナンド（g）のソロも悲壮感に磨きがかかり、思わず拳を突き上げたくなるような激情パワー・メタル世界が繰り広げられている。このタイミングでレインボーのカヴァーをボーナス収録する挑発力に苦笑しつつ、その完璧さには息を飲んだ。

【文】平野和祥