アーティスト名 | MEGADETH メガデス |
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アルバム名 | TH1RT3EN サーティーン |
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『THE_SYSTEM HAS FAILED』(’04年)以降、尖ったアティテュードを取り戻してからのデイヴ・ムステイン(vo, g)の曲作りが、如何に充実しているかはファンならご存じだろう。20代の頃の殺伐とした雰囲気はないが、’90年代に育んだキャッチーなメロディーの姿勢、メタリックな攻撃性、ギタリストのエゴ(ここ大事)が渾然一体となり、前作で1つの頂点へと結実した様は、ある種痛快だった。
で、今作。一聴して感じたのは、ここへ来てまた違うことをやろうとし始めたのか…という印象。前作の順当な延長と言える①はさておき、リフ作りにクラシック・ロック的な“間”があるものが多いように見受けられた。ただ、あくまでも曲のフォーマットはメタリックかつスラッシー。ムステインがどこかで「サバス的」というキーワードも出していたが、ズバリ受け取るとそれは誤解だろう。…といった要素を総合すると、全体としては何故か1stアルバム辺りの初期衝動に近い気もするが、果たしてどうだろうか? 先述の通り、明らかに前作までとは異なる道へ進もうとしているが、ムステインとクリス・ブロデリック(g)の技巧的なソロは相変わらず全編で超全開なのでご安心を。ちなみに以前デモとして発表されていた⑦が、完成版として収録されているという懐かしいサプライズもあり。
(坂東健太)