BENEATH／AMORAL

両者のファンならずとも衝撃が走った“アイドル・メタル・シンガー”アリ・コイヴネンとテック・デスラッシャーズの邂逅。前作がその賛否両論を吹き飛ばす勢いに溢れた作品だっただけに、次作が気になっていた方も多いのではないだろうか。今回は前作の突進力は控えめに、アリの魅力を最大限に活かす楽曲をじっくりと腰を据え制作した印象。よりオーセンティックなへヴィ・メタルに接近しているのを物足りなく思う向きもあるかもしれないが、ますます多彩な武器で戦えるようになったと考えれば自ずとその先が楽しみになるのでは？　英断に対する批判を乗り越え、更に伸びしろを拡大した彼らの手腕に拍手。
（久保田千史）