去る10月23日、通算12枚目のスタジオ・フル・アルバム『INTO THE PURGATORY』を発表したガルネリウス。さらなる技巧的進化を遂げたSYUに、今回も新作に通じる様々なフレーズ・アイデアを実演していただいた。
本誌2019年12月号の誌面には映像に連動した10譜例を掲載しており、また本ページにはウェブ限定の3つの譜面(Ex-A、Ex-B、Ex-C)も掲載させていただいている。両方合わせてお楽しみを。
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Openingオープニング
Ex-13拍フレーズを中心とした勇壮リフ
Ex-2add9の響きが特徴的な爆走16分リフ
Ex-3[8分音符×7]で1セットのメロディック・リフ
Ex-4[8分×5]が4回と[16分×8]のヘヴィ・リフ
Ex-5フィンガリングの組み立て方が肝のクラシカル旋律
Ex-6頻繁な左右移動で弾くケルト風旋律
Ex-7様々なテクニックを内包したテーマ・メロディー
Ex-8王道の8ビート・リフ+疾走感を醸し出すタッピング
Ex-9ダウン・ピッキングを軸に弾く6/8拍子のクラシカル旋律
Ex-10次から次へと繰り出される最高級技巧
Ex-10〈a〉1〜16小節目
Ex-10〈b〉17〜24小節目
Ex-10〈c〉25〜32小節目
Ex-10〈d〉33〜42小節目
Ex-10〈e〉43〜53小節目
本誌未掲載譜例:Ex-A、Ex-B、Ex-C
当ページに挙げた3つの譜例は、いずれも7弦ギターによるもの。とはいえEx-Cに関しては7弦目を使っておらず、Ex-AとEx-Bの方は6弦ギターのチューニングを下げることでも対処できる。7弦ギターを持っていない方もぜひ挑戦していただきたい。
Ex-Aオルタネイト厳守がポイントの技巧的7弦リフ(1)
こういったリフ系はピッキングの巧みさがリズムの安定感に直接つながるもの。Ex-Aで言えばオルタネイト・ピッキング厳守が大きなポイントであり、そうなると1〜2小節目の奇数拍に出て来る[ダウン→アップ→(ダウン空振り→)アップ]のピッキング順が地味に難しい。実際にピッキングする音と同じ長さを、空振りでも保てるかどうかが重要だ。
Ex-Bオルタネイト厳守がポイントの技巧的7弦リフ(2)
Ex-Bにも同様のピッキング・パターンが出て来る(1小節目1&4拍など)上、左手のスライド移動がそこに絡むので、つられてリズムがヨレてしまいがち。さらに後半4小節には、引っかかりのある半拍3連のピッキングが連続し、加えてここは3拍1セットのフレーズを4/4拍子に載せるので、ポリリズム感がこれまたややこしい。地道な反復練習あるのみだ。
Ex-C細かなオブリを挟むメロディック・スピード・リフ
Ex-Cもオルタネイト・ピッキングを保つことは前提だが、こちらはむしろ左手の忙しさの方が辛いだろう。随所に入る単音のオブリは基本的にBマイナー・スケールに則っているが、例えば2小節目1〜2拍のように半音階が挟まるイレギュラーな箇所もあり、一筋縄ではいかない。人差指から小指までを満遍なく動かすスキルが必要になってくる。