アーティスト名 | FOO FIGHTERS フー・ファイターズ |
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アルバム名 | WASTING LIGHT ウェイスティング・ライト |
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70年代初期型ハード・ロックの復興という側面もあった’90年代のグランジ・スピリットを継承するクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(QOTSA)に共鳴し、’02年の3作目に全面参加…。近年も、ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ(TCV)でジョシュア・オム(QOTSA)と活動を共にしたデイヴ・グロール(vo, g)だが、7作目の本作には、そうした諸活動で得た経験値が注ぎ込まれている。今作での’70年代的なワイルドさと繊細さが同居したハード・ロックは、ここ10年ほどデイヴが理想としてきたサウンドの実現という見方もできるが、まるでジョシュアが憑依したような捻りとパンチの効いたギター・リフ&ヴォーカル/ハーモニーは本当に秀逸だし、TCV的にオーガニックなアンサンブルにしても(失礼を承知で言うが)フー・ファイターズらしからぬコク深さだ。
本最高傑作では、初期メンバーで後期ニルヴァーナをサポートしてもいたパット・スメア(g)が復帰し、トリプル・ギター体制であの時代を偲ばせるノイジーなソロ/バッキングを荒々しく響かせ、また、ニルヴァーナ時代の盟友:クリス・ノヴォゼリック(b)も客演、プロデューサーはニルヴァーナの’91年の名盤を手がけたブッチ・ヴィグ…。と、役者も顔を揃えており、『NEVER MIND』から20年を経ての当事者による“ポスト・グランジ”の実現は感慨深い。
(菅原健太)