DYSTOPIA／ICED EARTH

Ｊ・シェイファー（g）率いる米産パワー・メタラーの第10作。’07年に復帰したＭ・バーロウ（vo）が再脱退し、後任にイントゥ・エターニティのＳ・ブロックを迎えての第１弾で、ジャケにマスコット・キャラ：セト・アボミネが描かれているものの、“Something Wicked Saga”関連は２曲だけで、他は映画からインスパイアされた曲が多いらしい。コンセプトから解放されたことで、メタルの王道を貫く重厚かつ猛々しいサウンドへ回帰し、Ｔ・シール（g）の流麗なソロ・ワークも際立っているが、メタリカやアイアン・メイデンなど元ネタが透けて見えたり、正攻法過ぎて展開が容易に読めるアレンジが少なくないのが玉にキズ…。
（奥村裕司）