THE END OF CHAOS／フロットサム・アンド・ジェットサム：複雑系個性派サウンドの完全復活、２本のリード・ギターの凄絶な絡み

３年ぶりの通算14作目にして、一時期復活したオリジナルのツイン・ギター隊が再崩壊したのち誕生した現ギター・コンビでの２作目。長い歴史の中で音楽的振り幅はデカかったが、当初圧倒的魅力を放った複雑系個性派サウンドの完全復活を確信できる好作の登場だ。オリジナル・ギター・コンビ復活でなし得なかった２本のリード・ギターの凄絶な絡みへの原点回帰がこの新体制の下で着実に進展し、ドライヴ感と劇的展開を併せ持つスリリングでメロディックなスラッシュ・アルバムに仕上がった。久々登場の趣味悪いジャケ絵センスもあくまでデビュー作の感触の再現。くれぐれもドン引きされませぬよう。

【文】平野和祥