LEGACY:A TRIBUTE TO LESLIE WEST/V.A.:レスリー・ウェストの功績を讃える、ロック界総出のトリビュート作

LEGACY:A TRIBUTE TO LESLIE WEST/V.A.:レスリー・ウェストの功績を讃える、ロック界総出のトリビュート作
アーティスト名V.A.
V.A.
アルバム名 LEGACY:A TRIBUTE TO LESLIE WEST
レガシー:トリビュート・トゥ・レスリー・ウェスト

CD | ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル | 2022年3月23日発売

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’20年12月23日に75歳で他界した米ハード・ロック・バンド、マウンテンのギタリスト/ヴォーカリスト:レスリー・ウェストの功績を讃えて制作されたトリビュート作品で、ザ・ドアーズのロビー・クリーガーからスラッシュ、ディー・スナイダーやルディ・サーゾにマイク・ポートノイ等々、世代を超えたロック界の錚々たる面々が数多く参加。カヴァーされているのは、’69〜’75年にかけて発表された楽曲で、マウンテン以外にもウェスト・ブルース&レイングやザ・レスリー・ウェスト・バンドの作品からも選曲されている。各ミュージシャンが原曲を尊重しつつも丁寧に自分なりの解釈を加えて録音したのが感じられる作品で、ザック・ワイルドの漢気溢れる歌唱とフレージングが熱い①にはじまり、マーティ・フリードマンが情感的なソロで魅せる②では、ジョー・リン・ターナーの声質もあり、オリジナルに肉薄する強烈な哀愁を感じさせる。ジョージ・リンチがクランチ・トーンで自在に弾きまくる⑦の解釈も面白いが、個人的には、ブラックベリー・スモークのチャーリー・スター(vo, g)による⑨が鳥肌モノで、まるでレスリーの魂が乗り移ったかのようなヴァージョンに仕上がっている。本作を機に、レスリー・ウェストを知らないギター・キッズが原作品まで遡って聴いてくれること。これこそが何よりのトリビュートになるだろう。

【文】Masa Eto