時代のニーズを敏感に察知し、常に新しい仕様を採り入れながらラインナップを変化させ続けてきたフェンダー。当映像ではここ数年の間にリリースされてきた5つシリーズ、全14本のギターを本誌ならではの観点でセレクトし、徹底試奏を行なった。
それぞれ異なる個性を持っているものの、いずれも長い歴史の中で培ってきたフェンダーらしさを堅持しつつ、未来を見据えて進化したモデルばかりだ。ぜひともじっくりと目を通して、あなたのプレイ・スタイルに合った1本を見付けていただきたい。
ルーパーを駆使しながら試奏を行なってくれたのは、TRIXや有形ランペイジなどで活躍する佐々木秀尚( Twitter)だ。
1. Player Plus
試奏モデル:
Player Plus Stratocaster
Player Plus Stratocaster HSS
Player Plus Telecaster
Player Plus Nashville Telecaster
Player Plus Meteora HH
大ヒットとなった“Player”シリーズの続編的モデルとして、昨年発表された“Player Plus”シリーズ。オンラインでもライヴでも映える、若い世代に向けて開発されたギターということで、写真を見れば特にルックス面の魅力に重点を置いていることがわかるはずだ。
もちろん操作性や音質面での工夫が凝らされていることは言わずもがなで、フェンダーの標準よりフラットな12インチRの指板、ネック側面の滑らかな処理、新たに開発されたノイズレス・ピックアップ、弦交換が容易なロック式チューナー、運指しやすいミディアム・ジャンボ・フレット、広めのナット幅(42.8mm)…など、入門者にも扱いやすい仕様が詰め込まれている。 一方でトーン・ノブには機種ごとに異なるスイッチング機能も搭載されており、この辺りのフレキシブルさは中級者以上にも嬉しいはず。
メーカー情報
2. American Professional II & Made in Japan Hybrid II
試奏モデル:
American Professional II Telecaster
Made in Japan Hybrid II Stratocaster
Made in Japan Hybrid II Telecaster
“American Professional II”はフェンダーのフラッグシップとして人気を博したシリーズの、第2世代として登場したもの。丁寧にエッジ処理された指板、滑らかなネック・ヒール、新たにヴォイシングされたピックアップ、各弦ごとに最適なテンション感が得られるスタッガード・チューナーなど、音質や操作性をさらに向上させるスペックが特徴的。
一方“Made in Japan Hybrid II”は、2017年に第1弾がリリースされており、今回試奏したのは昨年発表された第2弾ヴァージョンだ。伝統的なルックスをまといながら現代のプレイヤ ーを満足させるプレイアビリティを備えた、良いところ取りの仕様が特徴となっている。
3. Made in Japan Junior Collection
試奏モデル:
Made in Japan Junior Collection Stratocaster
Made in Japan Junior Collection Telecaster
Made in Japan Junior Collection Jazzmaster
日本で企画開発された“Made in Japan Junior Collection”は、これからギターを始める人や小柄なプレイヤー向けに設計されたシリーズ。ボディーは身体の小さい人にも無理のない約94%の サイズにスケール・ダウンしてあり、また指板は24インチのいわゆるショート・スケールを採 用している。それでいてナット幅は標準的な42mmなので弾きやすく、将来ロング・スケールのギターを持った時も無理なく対応できるはず。
4. American Acoustasonic
試奏モデル:
American Acoustasonic Stratocaster
American Acoustasonic Telecaster
American Acoustasonic Jazzmaster
多彩なアコースティック・サウンドをエレクトリックの操作性で実現する、“American Acoustasonic”シリーズ。フェンダーとフィッシュマンが共同開発したアコースティック・エンジンが組み込まれており、内蔵された3種類のピックアップ(ブリッジ下のピエゾ、ボディー内部のセンサー、ノイズレス・マグネティック・ピックアップ)を活用しながら、5ウェイのヴォイス・セレクターとA/Bを行き来するブレンド・ノブの組み合わせで、5×2=10種類のサウンドをモーフィング的に使い分けることが可能となっている。