SH-55 Seth Lover Model、AQ-HB Antiquity Humbucker:セイモア・ダンカン・マニアック第3回

SH-55 Seth Lover Model、AQ-HB Antiquity Humbucker:セイモア・ダンカン・マニアック第3回

SH-55 Seth Lover Model

ギブソンが1952年に開発したピックアップ、つまり“P.A.F.”として知られる伝説的なハムバッカーを、セイモア・ダンカン流のこだわりで再現したモデル。オリジナルを手掛けた職人であるセス・ラヴァー本人が協力しているという点で、他のメーカーから発売されている同様の製品と一線を画したモデルだと言える。素材はニッケル・シルバーのプレート、プレーン・エナメル・ワイヤー、アルニコ2マグネット、木製のスペーサーなど、当時と同じものを使用。また、オリジナルのトーンにこだわったため、ポッティング(コイルの含侵処理)を施していないのも特徴。大音量でのフィードバックには弱いものの、ギターからの振動をよりダイレクトに捉えることができる。

サウンド・サンプル 試聴

サンプル音源 1:

(フロント)0:00〜0:24
(リア)0:24〜0:56

アンプのセッティング

サンプル音源 2:

(フロント)0:00〜0:10
(リア)0:10〜0:21
(トーンを絞ったフロント)0:21〜0:35

アンプのセッティング

SH-55 Seth Lover Model

●ポジション:ネック(SH-55n)、ブリッジ(SH-55b)
●マグネット:アルニコ2バー ●直流抵抗:7.20kΩ(ネック)、8.10kΩ(ブリッジ)
●レゾナント・ピーク:8.14kHz(ネック)、5.90kHz(ブリッジ)●ベース:6、ミドル:4、トレブル:8
●ケーブル:1コンダクター ●出力:普通 ●価格:¥27,300(ニッケル)、¥28,350(ゴールド)

AQ-HB Antiquity Humbucker

'50年代に生産されていたヴィンテージ・ピックアップと同様のルックス、そして深みのあるサウンドを再現するため、セイモア・ダンカン独自のエイジング処理を行なうことで作られているのが“Antiquity”シリーズ。この“AQ-HB”は上記の“SH-55”を元にエイジングを施したものだ。経年変化によるマグネットの磁力の低下を再現してあるため、“SH-55”に比べると若干出力が低く、よりソフトな印象のサウンドが得られる。ちなみにセイモア・ダンカンではこのエイジング処理の方法について詳細を公開してはいないが、「非常にゆっくりとしたプロセスを経て、時間をかけて作られている」とだけ答えている。

サウンド・サンプル 試聴

サンプル音源 3:

(フロント)0:00〜0:27
(リア)0:27〜0:57

アンプのセッティング

サンプル音源 4:

(フロント)0:00〜0:09
(リア)0:09〜0:20
(トーンを絞ったフロント)0:20〜0:32

アンプのセッティング

AQ-HB Antiquity Humbucker

●ポジション:ネック、ブリッジ
●マグネット:アルニコ2バー ●直流抵抗:7.80kΩ(ネック)、8.52kΩ(ブリッジ)
●レゾナント・ピーク:——(データなし)●ベース、ミドル、トレブル:——(データなし)
●ケーブル:1コンダクター ●出力:普通 ●価格:¥31,500

試奏者及びレコーディング環境について

藤岡幹大

幅広いプレイ・スタイルを持つ実力派天然系ギタリスト。音楽学校MI JAPANにて教鞭を振るう他、BABYMETALなどのサポートでも活躍中。著書『アドリブ・ギター虎の巻』シリーズは累計10万部超!

ギターはナビゲーターの“LP”シェイプおよび“ST”シェイプを使用。
ピックアップの交換作業は、ESPギタークラフト・アカデミーの林 宏樹先生が担当。ギターの調整は各ピックアップのキャラクターに合わせて、臨機応変に変えてもらった。

アンプはマーシャルJVM410H を使用。レコーディング時はスピーカー・キャビネットを使用せず、リア・パネルに搭載されているEMULATED LINE OUTの信号から、直接レコーダーに接続した。

INFO

セイモア・ダンカン公式サイト

日本語:ESP | Seymour Duncan
英語:Seymour Duncan