11月1日、ブラジルのメタル・バンド:ANGRAが10作目となる『CYCLES OF PAIN』をリリースした。現在発売中のヤング・ギター12月号では、ラファエル・ビッテンコート&マルセロ・バルボーザのギター・チームが制作の背景を語るインタビューを掲載している。
また誌面には、二人の実演映像を元にした奏法記事も掲載しており、収録曲から12フレーズの譜面を紹介。当ページではその連動映像を公開しよう。きわめて難易度の高いテクニックやメロディーの数々を難なくこなすラファエルとマルセロの指捌きを確認しながら、参考にしていただきたい。なお、誌面上の各譜例に示した「Time」はそれぞれ、動画ではなく原曲自体のタイムに準じている。
そしてこの動画には、Ex-12の後にもう1つエクストラ・フレーズ(Ex-A)を収録している。ラファエルによる「Ride Into The Storm」のイントロ・ハーモニーで、こちらの譜面と奏法解説は当ページのみに掲載しているので、ぜひチェックしてみてほしい。
動画の内容
Ex-1 「Faithless Sanctuary」マルセロ:6音パターンを譜割で弾き分けるリフ
Ex-2 「Faithless Sanctuary」マルセロ:11/8拍子の把握が重要なリフ
Ex-3 「Ride Into The Storm」ラファエル:ツインの高速ハモりフレーズ
Ex-4 「Ride Into The Storm」ラファエル:無調性でハモる16分のライン
Ex-5 「Gods Of The World」ラファエル:7/8を意識したラテン・ソロ
Ex-6 「Gods Of The World」マルセロ:スキッピング活用の高速アルペジオ
Ex-7 「Here In The Now」ラファエル:タッピングで踊るようなレガート・ソロ
Ex-8 「Gods Of The World」マルセロ:ペンタトニックのタッピング・ソロ
Ex-9 「Vida Seca」ラファエル:特殊なポジション移動を含む大レガート・ソロ
Ex-10 「Cycles Of Pain」マルセロ:8フィンガーのタッピング・ソロ1
Ex-11 「Tide Of Changes – PartⅡ」マルセロ:8フィンガーのタッピング・ソロ2
Ex-12 「Ride Into The Storm」マルセロ:8フィンガーのタッピング・ソロ3
Ex-A 「Ride Into The Storm」ラファエル:2パートのリード・メロディー
(※譜例はタップ or クリックで拡大)
Ex-A「Ride Into The Storm」by Rafael Bittencourt
Ex-Aは「Ride Into Storm」中のツイン・ハーモニー。注目は最後の1&2弦上の下降フレーズ。実はこれ、ディミニッシュのアルペジオとなる。考え方としては、スライドの部分で区切る3つのポジションを連結したプレイ…と捉えるのが吉。なお下段15小節目3拍裏の1弦14fは、2弦16fのミス・トーンだろう。で、それを踏まえた上でポジションを図示したものが図A。
気をつけたいのは、1つ目から2つ目のポジション移動に使うスライドが1弦上なのに対し、2つ目から3つ目のそれが2弦上になること。基本、同じ形のポジションを移動していくプレイなので、混乱しやすいが慣れれば難しいプレイではないはずだ。
Ex-A by Felipe Andreoli, Rafael Bittencourt, Fabio Lione, Bruno Valverde, Dennis Ward