ヤング・ギター2024年2月号にて掲載した奏法特集『THE ULTIMATE 55(+1) LICKS』では、55(プラス1)名のギタリストがユニークなフレーズを1つずつ紹介。誌面には各フレーズの譜面と本人コメントを交えた奏法解説を1名1ページずつ掲載しており、YGの公式YouTubeチャンネルでは全フレーズのダイジェスト動画及び、本人奏法解説やコメントを交えた完全版の動画を4本立てで公開している。
ここでは完全版の最終弾となるVol.4の動画から、誌面では掲載できなかったザック・ワイルドのフレーズEx-56(c)の奏法解説をお届けしよう。
ザック・ワイルド Ex-56(c)譜例(画像はクリックorタップで拡大)
このフレーズは、ペンタトニックのアイデアを色々なアプローチに発展させているうちの一つ。動画でのザックは、同じフレーズに少し変化をつけながら何度も弾き直したりしているが、それらを集約したのが上記の譜例だ。ポジションはごく一般的な6弦5fのA音をルートとするマイナー・ペンタで、上昇ラインに対してプリングで折り返しながら音を配置する前半部分とプリングで下降する後半部と、それぞれ個別に使えるフレーズとなっている。
こうしたペンタのアプローチはザックの指癖で弾いていると思えるほどあらゆる曲で聴くことができるが、様々なコード進行で使うことのできるパターンなので憶えておくといいだろう。前半、後半ともに、パターン化された6拍分1つのリックとして捉えておき、締めの音へアプローチするフレーズを曲に合わせて弾けば、かなり実践的に使えるモノとなる。弦移動時の余弦は極力鳴らないように注意しておきたい。
また、人差指のジョイントで押弦する5fは、それぞれの音が重ならないように指の屈伸を都度使って、1音ずつタイトな音で弾くことを心がけよう。