楽曲ヴァラエティを充実させた上にギター・プレイも過去最高に豪快&強力…と好評の最新作『BETWEEN LIFE AND DEATH』で新生コンチェルト・ムーンとしてのスタートを切った島 紀史。その彼が、ヤング・ギター11月号でDVDと連動した奏法解説企画に協力してくれた。その撮影の際に持ち込まれた機材はツアー時と顔ぶれが同じということで、ライヴ・ステージと変わらぬ気合いを込めて撮影に臨んでくれたことがここからも分かるだろう。凄まじいまでに高い精度とパワーに満ちた一大シュレッド祭りを堪能してもらえるはずだ。
DVD映像内では島による機材紹介も収録されているが、ここでは各ギター/アンプ/エフェクトにクローズ・アップした写真を掲載することで、映像の補足解説とさせていただこう。
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ギター1 Fender:Stratocaster
DVD内でメイン・ギターとして使用されているフェンダー・ストラトキャスター。’74年製で、大幅な改造はすることなく使われている。ボディーが島好みのアッシュ製で、ブライトかつ力強いサウンドが出せるということもあり、レコーディングにおいてもツアーにおいても定番のメインとなっている。チューニングは全弦半音下げだ。
ギター2 Fender Japan:Stratocaster
こちらはフェンダージャパンで島のために製作されたモデルで、先のヴィンテージ・ストラトのネック・プロファイルや材/パーツの選定をそっくりそのまま継承した、分身のような存在である。こちらは[全弦半音下げ+6弦のみさらに1音下げ]のドロップ・チューニングで使用。
アンプ Marshall:Major
マーシャルの愛用者として知られる島が、現在メイン・アンプとしているのは、同社の“Major”だ。’67年製で、島が敬愛するリッチー・ブラックモアがかつて使用したことでも知られている。島は200W仕様のこのアンプを爆音で鳴らしており、これによって得られる、モダンなドンシャリ・サウンドとは一線を画する独特な歪み感は、DVD映像内でも確認してもらえるだろう。同機を使い始めた時期の島は、「普通ならヘヴィ・メタルをやるような音じゃないかもしれないけど、自分にとって一番気持ちいい音を出してくれる。一時は自分には扱いきれないアンプなんじゃないかと思ったけど、上手くはまった時は他に替えがたいトーンが得られるんですよ」と語っていた。
2台セッティングされているうち、写真上の“NO.2”をDVD撮影時に使用。キャビネットも年季の入ったヴィンテージものだ。
ペダルボード
こちらは足下に設置されたエフェクト・ボード。上段は左からブラックスターのディレイ“HT-Delay”、BOSSのノイズ・サプレッサー“NS-2”、島のギター・テクが製作したオリジナル・オーヴァードライヴ、コルグのチューナー“Pitchblack”(その真下にジャンクション・ボックスをセット)。下段は左からオリジナル・アナログ・ディレイ、エレクトロ・ハーモニックスのオクターヴァー“Micro POG”、オリジナル・フェイザー、PMPのバッファー・ペダル“BUF / E945”。最上段にはEx-Proのパワー・サプライ“PS-2”がセットされており、ペダル間をつなぐケーブルも同社製だ。接続順などに関しての解説はDVD内の島のコメントも参照のこと。
弦 Ernie Ball:Regular Slinky
また弦についても触れておこう。今年から島はアーニーボールとエンドース契約を結んでおり、同社の“Regular Slinky”を使用している。これは1弦から[.010/.013/.017/.026/.036/.046]というセットだ。島曰く、プレーン弦と巻き弦のテンション・バランスが良く、ピッチが非常に安定していることが気に入っているそう。特にアーミングを多用する島にとって、激しく弦を揺らしても狂いが最小限に留められることは、非常に大きなポイントのようだ。