フランセスコ・ファレリ最新ソロ・アルバム『PRIMAL INSTINCT』から明るいシュレッド・インスト「Triumph」の奏法を本人が直伝してくれる連載コラムの第2回。ここで取り上げるのは、Ex-2のド派手なスウィープ・フレーズだ。なお、彼は7弦ギターを使用しており、第1回に掲載したメイン・リフにも7弦目の音域が使われていたが、今回以降は6弦ギターで対応可能な音域なので、ぜひチャレンジしてもらいたい。
では早速動画を観てみよう。猛烈な速さは置いといて…、フレージングだけを見れば、バックのコードと同じコードのアルペジオを重ねたシンプルなプレイだ。ただ、1つのコード内でも、複数のポジションを連結したフレーズになっているので、まずは、使われているポジションをしっかり把握することから始めたい。というわけで用意したのが、図1~4。図1が1小節目、図2が2小節目、図3が4小節目、図4が6小節目のポジション図だ。この図中の曲線で囲ってある部分が、基本ポジションと考えてほしい。
ちなみに、2小節目3拍目の2弦6fは、恐らく同弦5fE音のミス・トーン。なので、図2でも( )内に記してある。また、図4の左側のポジションは、5弦12f(A音)の代わりに4弦7fを用いたものと考えよう。テクニック面では[ダウン→アップ]、もしくはその逆の[アップ→ダウン]の折り返しの部分に注目したい。例えば、1小節目3拍の[1弦8f→同弦5f]や4拍目の[1弦13f→同弦8f]は、普通ならプリングでコナすところだが、映像を観れば1音1音しっかりピッキングしているのが分かるはず。そう、折り返しの部分でハンマリングやプリングを挟まずに、すべてピッキングしてしまうのがフランセスコ流…というわけだ。なお1小節目2拍の[2弦6f→1弦5f→2弦6f]などは、実は通常のスウィープ・フレーズにはあまり見られない珍しいものなのだが、こうしたフレーズが登場するのも恐らく、そんなフランセスコ特有のスタイルが関係しているのだろう。
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