嵐に立ち向かった異次元のステージ！ NAONのYAON 2022レポート 2022.4.29＠日比谷野外大音楽堂

出演者全員が女性という、恒例の音楽フェス“NAONのYAON”。2020年は延期、2021年は無観客配信開催となった同イベントが、今年はついに有観客で復活。4月29日（金）、雨天の中日比谷野外大音楽堂にて行なわれた。

Gacharic Spinで幕をあけた前半戦。注目は初出場のCHAI！　横ノリも縦ノリも融合させ、変幻自在にオーディエンスのボディーにビートのジャブを打ち込むステージング。国境を超えて伝わるポテンシャルの高いパフォーマンスはNAONのYAONでも余すところなく発揮された。そして、今年１月のLINE CUBE SHIBUYA（旧渋谷公会堂）公演をソールド・アウトにしたNEMOHILAが登場。ヴィジュアルと相反するバキバキにヘヴィでラウドかつ、キャッチーでメタルなサウンドで会場の空気も一気に加速する。

雨が激しくなる中、休憩を挟んで行なわれた後半はロック・レジェンドたちが登場。中村あゆみの「翼の折れたエンジェル」を筆頭に、相川七瀬の「夢見る少女じゃいられない」、６年ぶりの出演となった杏子による「目を閉じておいでよ」での相川とのコラボなど、名曲が次々と披露された。

そして、「パイセンたちと一緒にやれるのが楽しみ」と言っていた初出演の大黒摩季が姿を見せた。「来たよー！」の一言で、強さを増した雨風を吹き飛ばすかのように会場を沸かせる。「あなただけ見つめてる〜熱くなれ」で一気にクラップもヒート・アップ。いつの時代も逆風を力に変え、そのエネルギーをステージ上ではパッションのエールに変換する圧巻のパフォーマスは今日も健在だ。「世界に届けラヴ＆ピース」のMCから歌われた「ら・ら・ら」で会場は一つに。

今度は、相川七瀬の呼び掛けで実現した特別コラボ。寺田恵子（SHOW-YA）・杏子・中村あゆみ・大黒摩季・相川七瀬の５人の歌姫による「限界LOVERS」が披露された。まさに豪華絢爛で百花繚乱、熱い女のソウルがほとばしるバトルに2600人のオーディエンスは大盛り上がり。オーラスはSHOW-YA！　１月のLINE CUBE SHIBUYA公演で初披露された「限界LOVERS〜Battle Orchestra〜」で、ド派手にゴージャスに本編の幕を閉じた。

アンコールでは再び５人のロック・レジェンドが現れ、昨年“NAONのYAON”のステージに立ち、今も腹膜がんと戦っている葛城ユキの「ボヘミアン」を共演した。このことは事前に葛城にも伝えられており、MCでは葛城本人からも「野音のステージからパワーをもらいます！」とメッセージがあったことが明かされた。そしてNAONのYAONのテーマ「Rock Love」で、“NAONのYAON2022”は終焉を迎えた。

この日ステージに立ったのは、15組59名の女性アーティスト。16回目（2021年の無観客公演を含む）のNAONのYAONは、のちに伝説として語り継がれるほど激しい雨と風の中で行なわれ、それ以上に激しく熱い女性アーティストたちが創り上げた唯一無二のイベントとなった。